『日本経済新聞』2012年1月6日付
東大への出向「見直す考えない」 文科相
文部科学省が高等教育局長を東京大の理事に出向させる異例の人事を決めたことに絡み、中川正春文科相は6日の閣議後の記者会見で、「そういう人事をしたからといって文科省の影響が大学に強く反映されているわけではない」と述べた。自主性を高めるため法人化した国立大への官僚の出向を問題視する声も多いが、現時点では制度を見直さない考えを示した。
今回の人事は「東大学長の要請に基づき、適格性も審査して出向させた。学長は大学改革に強い思いがあり、我々も連動できればという期待があった」と説明。大学の自主性が損なわれるとの批判に対しては「文科省が大学をコントロールしているとかの次元の話ではない」と強調した。