『河北新報』2011年10月19日付
岩手大が三陸復興本部 釜石に活動拠点、支援強化
岩手大は18日、東日本大震災で被災した三陸沿岸地域を支援するため、「三陸復興支援本部」を学内に設置したと発表した。学内の人材と知識を生かして水産復興の研究やボランティア活動に取り組み、地域復興の中心的役割を担う。
本部設置は1日付で、事業は(1)産業復興支援(2)生活復興支援(3)地域防災拠点形成―の三つが柱。釜石市に現地活動拠点としてサテライト施設を開設し、コーディネーターを常駐させる。自治体や漁協、住民が要望する支援を情報収集し、大学側ができることとの連絡調整をする。宮古、久慈両市などにもサブ施設を置く。
産業復興支援の一環で、東京海洋大、北里大と近く協定を結んで「SANRIKU(三陸)海洋産業復興研究・教育拠点」を設置。岩手大が弱かった水産業の分野で、人材育成と研究開発に取り組み、三陸ブランドの食材の産業化を図る。
生活復興支援では、これまで行ってきたボランティアや調査・研究の実績を受け継ぎ、被災者の心のケアや被災動物の診療などに当たる。
藤井克己学長は岩手大で記者会見し「大学が総力を挙げて復興に参画し、県全体の生活を押し上げたい」と語った。