『読売新聞』2011年10月10日付
留学 円高追い風…米大学なら2割安
今年5月に東京都内で行われた「留学ジャーナル」の留学相談会
歴史的な円高水準が続いていることを背景に、海外留学への関心が高まっている。欧米などで授業を受けたり、滞在したりする費用が安く済むためだ。そんな為替事情も踏まえ、留学には、おカネがどのぐらいかかるのか、利用できるローンなどはあるのか、調べてみた。(経済部 伊藤剛)
最近の為替水準をみると、4年前との比較で現在、対米ドルで3割以上、英ポンドで4割以上も円高が進んでいる。留学ジャーナル副社長の加藤ゆかりさんも「今は留学しやすい環境にある」と話す。
■英の語学学校は34%安
そこで本題、留学費用は安くなったのか。具体的に見てみよう=表1=。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の英語集中コースでは、留学費用は4年前より24%安くなる計算だ。イギリスの語学学校の場合は34%も安くなる。
また、アメリカの4年制州立大学の留学費用は年間1万5600ドル程度で、今の円高なら、生活費を合わせても年124万円で収まるという試算もある。
日本の地方都市にある塾で作る留学相談のネットワーク「ISC留学net」の大場規之代表は「今は一人暮らしで地方から東京の大学に進むより、アメリカの大学に進んだ方が安い例もあるようだ」という。ちょっと表2を見てほしい。
■奨学金年100万円支給も
ただ、円高でも家計が苦しくて留学資金が調達できない人もいるだろう。そこで、海外留学を後押しする奨学金制度を紹介しよう。
返さなくていい給付型では、経団連が海外留学する大学生に1人当たり年100万円の奨学金を支給する制度を作り、2012年度から支給を始める。
埼玉県には「埼玉発世界行き奨学金」という年に200人以上の学生らを対象にした給付型奨学金がある。
貸与型では、日本学生支援機構の奨学金制度が有名だ。留学生向けの「第二種奨学金」は金利が年3%程度と低めで、利用条件も緩やかで使いやすい。
金融機関の教育ローンを活用する手もある。
最近では年金利が3~5%の商品もあるという。日本政策金融公庫の「教育一般貸付」は、外国の大学などの教育施設に6か月以上留学することを条件に、300万円を上限に今なら年2・85%の金利で融資する。
教育ローン以外でも留学に利用できる様々なローン商品があるが、利用条件と金利は様々なので、複数の金融機関に問い合わせて比較すると良いだろう。
■余裕を持って計画を
留学にかかるおカネは留学する国や学校、生活のスタイルで大きく変わる。留学の目的を明確にした上で、現地の事情を調べ、きちんと資金計画を組むことが大事だ。また、今は円高でも、経済情勢の変化で円安に向かう可能性もある。1ドル=100円程度まで、円安に戻っても、余裕があるように計画を立てるのが無難だ。
留学の情報を集めるには信頼できる留学あっせん業者が開く相談会などに参加するのもいい。例えば、大手では「留学ジャーナル」が10月15~23日にかけて、名古屋、東京、福岡、大阪の4会場で留学フェアを実施する。
地方に住む人には、「ISC留学net」など地方に拠点を設けている会社もある。