『中日新聞』2011年10月5日付
広がる大学「秋入学」 名古屋大、学部で初
優秀な外国人学生の獲得を目指す名古屋大(名古屋市千種区)で、英語のみの国際コースに入学する留学生の秋季入学式が5日、名大の豊田講堂で行われた。大学院の国際コースはこれまでもあったが、学部での秋入学は初めて。東京大が国際化に合わせて学部入学式の秋への移行を検討しており、秋入学の流れは全国の大学でじわじわと広がっている。
入学式は、大学院と合同で行われ、計160人が出席。進行やあいさつは英語で行われた。浜口道成学長は名大の歴史やゆかりのノーベル賞受賞者を紹介し、「国際化の時代。われわれは国の垣根を越えて協力していかなければならない」と新入生に訴えた。その後、法学部に入学するヤクボワ・ディルショドフナさん(19)=ウズベキスタン=が新入生を代表して宣誓した。
モンゴルから入学を決めたエン・フルムさん(19)は「自動車や航空機について日本で学び、母国の発展に貢献したい。日本の文化も知りたい」と話した。
スタートした学部の国際コースは「自動車工学プログラム」や「物理系プログラム」など計5コース。マレーシアやモンゴル、ウズベキスタンなど13カ国から37人が入学している。
東海地方には国際展開する企業が多く立地することから、帰国子女も受け入れる。37人中13人を帰国子女が占めている。秋入学は9月入学が多い海外と時期を合わせるために採用している。
プログラムは、留学生を30万人に増やす文部科学省の「国際化拠点整備事業(グローバル30)」の一環。現在、全国の13大学が選ばれており、名大は1600人の留学生を2020年までに3千人に増やす方針だ。浜口学長は「新入生の状況を見ながら、今後、本格的に秋入学を進めていくかどうか検討したい」と説明している。