『朝日新聞』大分版2011年10月4日付
大分大新図書館開館3カ月遅れ
耐震工事のため閉館中の大分大学図書館(大分市旦野原)の開館が当初予定の来年4月から約3カ月遅れる見通しとなった。施工業者が東日本大震災の影響で業績が悪化して法的整理に入ったため。大分大への取材で分かった。遅れに学内から不満が出ている。
改修後は、延べ床面積が5910平方メートルで従来の1・4倍に、座席が680席で1・5倍に、収納可能冊数が74万5千冊で1・6倍になる。1階には100人程度の授業ができる対話スペース「ラーニングコモンズ」や授業に関連する図書やティーチングアシスタント(TA)を置く「科目別学習支援ブース」を設置する。
閉館は今年4月から。工事は総事業費9億円で、建築、電気、機械設備関係の3社が受注した。このうち機械設備担当の三信工業(大分市)が9月2日に大分地裁に民事再生法の適用を申請した。
大分大は15日に契約を解除し、新たな業者を選定する入札を20日公告した。業者が決まる10月末まで工事が止まり、開館は来年6月末~7月になるという。
図書館機能は、学内の情報基盤センターに置き、借りたい本を指定して学内外の保管場所から本を取り寄せている。工事前は市民に開放していたが、今は学内者しか利用できない。
教職員の1人は「書籍は他大学から借りたり、購入したりする機会が増え、相当困っている。早く開館してほしい」と話す。大分大は利用者のため、代替サービスを検討中という。(丹治翔)