墨田区誘致大学決定見送り公募審査「条件満たす法人なし」『読売新聞』2011年10月1日付

『読売新聞』2011年10月1日付

墨田区誘致大学決定見送り公募審査「条件満たす法人なし」

 墨田区は30日、東京スカイツリー近くへの大学誘致計画で、公募に応じた学校法人を審査した結果、条件を十分に満たす学校はないとして、決定を見送ることを明らかにした。区は特定の学校に声をかけるなどの「営業」はせず、応募した学校から審査会に選定してもらう手段を選んだが、誘致はつまずく格好となった。 

 同区が大学の誘致を目指しているのはツリーの約1キロ東、1999年にいずれも廃校となった旧曳舟中と、隣接する旧西吾嬬小の跡地計約1万8000平方メートル(同区文花1)。「施設の積極的な開放」「周辺の幼稚園や小中学校との交流」など、地域貢献を重視することなどを条件に公募。 

 これに7法人が応募し、その後、1法人が辞退した。学識経験者ら9人からなる区の大学誘致選定審査会が7月から、地域貢献に加え、経営の安定性や明確な整備計画を用意しているかなどを審査していた。 

 しかし、審査会は9月27日、最終審査の結果として「本区に進出する大学として採択する法人は該当なし」とする答申書を山崎昇区長に提出、区は今回の公募での決定を断念した。「該当なし」となった理由について、同区企画経営室では、「条件を十分に満たす法人がなかった」としている。 

 区は「ツリー開業で注目される街の魅力を発信する存在として、大学が必要という考えに変わりはない」との理由で、改めて公募する方針。ただ、「広く門戸を開いて応募を待つという今回のやり方が良かったのか、検証したい」としており、再公募の時期は未定。

 江東5区では、葛飾区が東京理科大を誘致し、2013年に新キャンパスがオープン。足立区でも、区長のトップセールスで誘致した東京電機大の新キャンパスが来年4月に開校する。

 

 このため「どんな大学に来てほしいのか的を絞って、区が積極的に働きかけるべきではないか」との指摘も出ている。

 

 

Proudly powered by WordPress   Premium Style Theme by www.gopiplus.com