11年度予算閣僚合意 求職支援を恒久化『東京新聞』2010年12月18日付

『東京新聞』2010年12月18日付

11年度予算閣僚合意 求職支援を恒久化

 二〇一一年度予算編成をめぐり十七日、野田佳彦財務相、玄葉光一郎国家戦略担当相と関係閣僚による協議が断続的に行われた。小学校一年生の三十五人学級実現に約五十億円の予算を計上することで合意。農家への戸別所得補償制度では、農地の「規模拡大加算」の導入が決まり、拡大した農地十アール当たり二万円を支給する。政府は残る未決着案件の詰めを急ぎ、二十四日に予算案の閣議決定を目指す。 

 雇用保険を受給できない失業者が、当面の生活資金(月額十万円)を受け取りながら職業訓練を受ける「求職者支援制度」は、細川律夫厚生労働相との協議で一一年十月からの実施が決まった。

 基本的な内容は同年九月末に期限を迎える「緊急人材育成支援事業」と同じで、事実上恒久化する。雇用保険制度の一環として行い、初年度は百七十三億円を一般会計から労働保険特別会計へ繰り入れる。財源は、厚労省が既存予算の見直しで捻出する。

 厚労省側は、暫定措置で13・75%となっている雇用保険国庫負担割合を一一年度から本則の25%に戻すよう求めたが、必要となる約二千億円を手当てするめどが立たなかったため見送った。安定財源を確保した上で、できるだけ速やかに暫定措置を廃止するとした。

 戸別所得補償制度について鹿野道彦農相との協議で、水田や畑を借りて経営規模を拡大した農家への「規模加算」で合意。拡大面積は五万ヘクタールを見込み、食料安定供給特別会計に百億円を計上する。農業自由化も含まれる環太平洋連携協定(TPP)への参加検討を契機に、大規模化を促すことで経営体質の強化を狙う。

 文部科学省が要求していた小学校一、二年生の三十五人学級化について、財務省は当初、予算計上を認めなかったが、高木義明文科相との復活折衝で、一年生に限って実施することで折り合った。公立小中学校の教職員定数を三百人増やすため、人件費五十億円を計上する。

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