『読売新聞』2014年3月8日付
ロボットやレーダー…防衛装備品を大学と研究へ
防衛省は、防衛装備品を巡る大学との共同研究を本格化させる。
インターネットに代表されるように、元々防衛当局が開発した技術が民間に転用され、市民生活の向上に役だった例は多い。同省では大学の豊かな基礎研究の成果を取り込み、防衛技術の底上げを図るとともに、民生部門への波及効果も見込んでいる。
同省は今後、ロボットや材料技術、レーダー部品などの幅広い分野で大学との共同研究や技術連携などを強化。4月には、省内に専門部署の「技術管理班」(仮称)を設置する。
同省によると、大学との技術交流は2008年度からスタートしており、帯広畜産大(北海道)とテロに使われる毒素を検知するシステムの研究をしたり、九州大学(福岡県)と爆破装置を検査する技術の研究を進めたりするなどしてきた。ただ機密範囲を明確にしてこなかったため、成果を論文などの形で発表したい大学側の要望に応えられるかはっきりせず、件数もわずか7件にとどまっていた。