『朝日新聞』 2013年12月15日付
東北学院大も医学部新設検討 仙台厚生病院と連携
【福島慎吾】東北学院大(仙台市青葉区)が、財団法人厚生会仙台厚生病院(同区)と連携して医学部を新設する検討を始めたことがわかった。厚生病院から連携の打診を受けた。厚生病院は一方で、すでに公表している東北福祉大(同区)との医学部設置にも含みを残しており、学院大も含めた3者連携に発展する可能性もある。
学院大は10月末、学内の検討委員会と学外の関係者で作る懇談会をそれぞれ設け、財政面での課題などについて検討。12月5日の理事会で、新設の検討に入ることを正式に決めた。
学院大と厚生病院は情報交換や調整にあたる連絡協議会を設け、今後具体的な検討を進める予定だ。
厚生病院の目黒泰一郎理事長は「東北学院大は東北最大の私立大で、財政基盤も安定している。キリスト教系の大学の理念と、東日本大震災からの復興支援という医学部新設の理念が合致する」と期待する。
厚生病院はすでに東北福祉大と連携して医学部を新設する構想を公表していたが、9月の役員会でほかの大学との連携も選択肢とする方針を決めていた。
目黒理事長によると、政権交代後、福祉大のような看護師を養成する大学との連携という医学部新設のための条件がなくなり、連携の選択肢が広がった。学院大以外の大学にも連携を打診したほか、打診していない大学からも問い合わせを受けているという。
文部科学省は、来年5月まで医学部を新設する構想の公募を受け付ける予定。これを踏まえ、厚生病院は連携の枠組みを来年1月中旬にも決めたい考えだ。
医学部の新設をめぐっては、文科省が11月、東北地方に1校に限って認めることを発表。早ければ2015年春にも開設される。これまでに東北薬科大(仙台市青葉区)も単独での医学部新設に名乗りを上げている。