山形大工学部で不適切経理 教員研究費の不用相当額、翌年分に上乗せ『山形新聞』 2013年11月6日付

『山形新聞』 2013年11月6日付

山形大工学部で不適切経理 教員研究費の不用相当額、翌年分に上乗せ

山形大工学部(米沢市)が研究活動のための教員研究費について、年度内に使わなかった予算を別の経費に回し、その分を次年度に教員研究費に上乗せする経理を続けていたことが5日分かった。大学本部が「柔軟な予算編成ができなくなる」として是正するよう指示し、工学部は「不適切だった」として本年度から取りやめている。

工学部によると、国の予算の運営費交付金から配分される教員研究費は研究室ごとに年一律20万円に加え、学生数に合わせて支給される。教員1人当たり年平均で30万円となり、これに外部獲得資金を含めた研究費の中から、教員が使わなかった分を、学部運営上必要な別の経費に充てていた。その分は、あらかじめ教員と約束して予算を確保し、次年度の教員研究費に上乗せする慣習となっていた。

大学本部は同日、記者会見し、柴崎孝、北野通世の両理事が経緯を説明。「次年度に教員に返すと約束することで学部として自由に使える予算が減る。将来的に学部運営に支障を来す恐れがあり、望ましくない。研究費が教員の積立預金のようになってしまうという点でも不健全だ」との見解を示した。その上で「学部に配分された予算は学部長の判断で使い道を変更することができる。現金がプールされている事実はなく、不正経理には当たらない」と強調した。

工学部はキャンパス内での相次ぐ施設工事により設備移転費がかさみ、12年度決算では2億2千万円の赤字を計上。大学本部の調査により、不適切な経理を続けていたことが発覚した。

 

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