大学教育部会(第24回) 議事録 平成25年8月2日

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大学教育部会(第24回) 議事録

1.日時

平成25年8月2日(金曜日)14時~16時

2.場所

一橋大学一橋講堂2階中会議場

3.議題

1.部会長の選任等について

2.大学の質保証について

3.その他

4.出席者
委員
(委員)浦野光人,高橋香代の各委員
(臨時委員)金子元久,川嶋太津夫,佐々木雄太,佐藤弘毅,谷口功,濱名篤,吉田文の各臨時委員
(専門委員)安部恵美子,黒田壽二,鈴木典比古,長谷山彰,山田礼子の各専門委員

文部科学省
布村高等教育局長,中岡高等教育局審議官,里見大学振興課長,今泉大学設置室長,田中高等教育政策室長,圓入専修学校教育振興室長,白井大学振興課課長補佐,秋山高等教育政策室室長補佐 他

5.議事録

(1)部会長の選任等について

委員の互選により佐々木委員が部会長に選任された。

副部会長については,佐々木部会長から谷口委員,黒田委員が指名された。

(2)大学教育部会の会議の公開について

事務局から,大学教育部会の会議の公開について資料3の説明があり,原案のとおり決定された。

また,公開に関する規則に基づき,この時点から会議が公開された。

(3)大学教育部会の開催に当たり,佐々木部会長から以下のとおり挨拶があった。

【佐々木部会長】  第7期最初の大学教育部会の開催に当たりまして,一言御挨拶を申し上げます。

私は,前期に引き続いて大任をお引き受けすることになりましたが,どうぞ御協力よろしくお願いいたします。

本部会におきましては,これまで大学教育の改善あるいは充実に向けて精力的な審議を進めてまいりました。その結果は,昨年8月に「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」という答申に取りまとめ,公表したところであります。

この答申では,大学の教育課程の体系化あるいは組織的な教育の実施,全学的な教学マネジメントの確立等,具体的な改善方策を提示しておりますが,これが真摯に受け止められ,実効性のある方策が進められることを期待しているものであります。そのためには,恐らく現場の意識改革を進めるということともに,大学教育の質保証のための制度改革等を推進することが求められると思っております。

先般取りまとめられました教育再生実行会議の第三次提言においても,中教審答申と同様に,大学教育の質的な転換の必要性が提言されて,大学教育の質を保証する総合的な仕組みの構築が求められているところであります。

また,グローバル化が進展していく中で,学術・教育面においても,国境を越えた大学間の教育連携が展開し始めておりますし,大学教育の国際的な通用性を確保するという観点からも,今後,更に大学教育の質保証の重要性をしっかり認識し,これを強めていくことが必要であろうと思います。

大学分科会の安西分科会長がしばしば申されておりましたように,この大学教育改革は待ったなしの課題であり,この改革・改善に向けて,委員の皆様には第6期に引き続いて精力的な御審議をお願いしたいと思います。

難しい課題も含まれておりますが,大学改革のためには避けては通れないものと私どもは認識しております。各委員の深い知見と広い見識に基づく積極的な議論をお願いいたしまして,私の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

(4)引き続き,布村高等教育局長から以下のとおり,挨拶があった。

【布村高等教育局長】  失礼いたします。高等教育局長の布村と申します。

第7期の最初の大学教育部会の開催に当たりまして,事務局から一言御挨拶を申し上げたいと存じます。

委員の先生方には,第7期の中央教育審議会大学分科会大学教育部会の委員をお引き受けいただきまして,誠にありがとうございます。また,御多忙の中,本日お集まりをいただきましたことも厚く御礼を申し上げたいと思います。教育再生実行会議の議論を踏まえてということもありまして,開会まで間が空きまして大変失礼いたしました。

知識基盤社会の到来や社会経済のグローバル化,あるいは少子高齢化の急速な進展などの社会状況の大きな変化の中で,我が国が世界に伍(ご)して発展していくためには,次代を切り開く人材を育成するため,大学教育の改善充実が不可欠であると,先ほど佐々木部会長からも安西分科会長のお話を引いて御発言があったとおりでございます。

前期の大学教育部会におきましては,大学教育の質の改善に焦点を当てた審議を行っていただきました。大学教育の質的な転換を求める答申を昨年の8月28日に取りまとめいただいたところでございます。この提言を受けまして,文部科学省におきましては,大学教員の方々あるいは学生を対象としたフォーラムを開催させていただいたり,大学教育の質的転換に取り組む大学への支援に取り組んできたところでございます。

この大学教育に関しましては,官邸に設置されております教育再生実行会議におきましても議論を重ねていただいており,5月28日には,これからの大学教育の在り方に関する第三次提言を取りまとめられたところでございます。その中では3点,1点目は,能動的な活動を取り入れた授業や学修方法などの教育方法の質的な転換,2点目には,学修時間の増加や組織的な教育の確立などの教学マネジメントの改善,3点目には,大学教育の質の保証をする総合的な仕組みの構築という観点からの御提言を頂いたところでございます。

大学教育の質の保証に関しましては,大学設置認可の在り方につきましても見直し,大学教育の質の向上を図るために設置されました「大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会」の報告が本年2月に出てございますが,その報告におきましても,大学設置基準の明確化,あるいは事後チェック機能の強化としての認証評価制度の充実などが求められているという状況でございます。

このような中におきまして,この大学教育部会におきましては,当面は大学の質保証の充実を中心として,大学教育の改善・充実に向けましての審議をお願いしたいと考えております。

特に,大学設置基準などの制度改正につながるものにつきましては,速やかな実行につなげていくため,順次改正の方向性をお取りまとめいただくとともに,今年度内を目途に質保証のトータルシステムという全体の在り方につきましても,一定の方向性を取りまとめていただければと考えているところでございます。

この大学教育部会の審議が精力的で実り多い審議となりますよう,委員の先生方の重ねての御協力,御指導方を賜りますことをお願い申し上げさせていただきまして,開会に当たりましての御挨拶とさせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

(5)文部科学省から,大学の質保証の在り方について,資料4-1~7に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【田中高等教育政策室長】  それでは,本部会の審議事項を中心に関係資料の説明をさせていただきます。

まず,お手元の資料の中で,資料の4-1を御覧ください。

資料の4-1及び資料の4-2は,大学分科会で審議を頂きました各部会の審議事項に関する資料でございますが,まず,資料の4-1の最後のページ,4ページを御覧ください。

資料の4-1の最後の4ページに,大学分科会の組織の樹形図がございまして,その中で各部会の主な審議事項も記載をさせていただいております。

本部会,大学教育部会は上から2番目,大学分科会の下でございますが,大学教育部会の主な審議事項といたしましては,前期,第6期での審議状況なども踏まえまして,3点掲げております。

具体的には1点目として,「求められる知識・技能の高度化に対応した進路選択・学修機会の充実」,2点目といたしまして,「大学の質保証の充実」,3点目として,「短期大学の役割の充実」の3点を挙げています。

資料の1ページに戻っていただきまして,個別に説明をさせていただきますと,まず,資料4-1の1ページの「2.求められる知識・技能の変化に対応した学修機会の充実」につきましては,単位認定や編入学をはじめといたしました教育機関相互における流動性の高い仕組みの構築や,社会人などの多様なニーズに応じた学修機会の確保を具体の審議事項例として掲げております。

本審議事項に関しましては,前期,第6期の大学教育部会におきまして,職業能力開発大学校などの省庁系大学校の単位認定などについて審議を行っていただきまして,単位認定の拡大などの制度改正を行ったところでございまして,今後,単位認定の状況や効果を踏まえた編入学の在り方など,継続して審議を行う必要がある事項もあることから,第7期におきましても審議事項として掲げているところでございます。

次に,「3.大学の質保証の充実」につきましては,大学の質保証に係る全体的なシステムの改善・充実という観点から,設置基準等の明確化や認証評価制度の在り方,質保証に関係するシステム間の相互連携を具体的な審議事項例として掲げているところでございます。

そして,第7期の大学教育部会におきましては,当面この審議事項を中心に精力的な審議をお願いしたいと考えております。

3点目といたしまして,2ページの一番下,「6.短期大学の機能の充実」につきましては,現在,関係団体におきましても委員会等を設けていただくなどいたしまして,短期大学の関係者とも連携しながら,現状や課題を整理しているところでございまして,一定の整理ができた段階におきまして,本部会における審議を開始したいと考えております。

次に,資料4-2を御覧ください。

資料4-2も大学分科会での資料でございますが,こちらは産業競争力会議での議論や,教育再生実行会議の第三次提言なども踏まえまして,審議事項に関して検討が求められる具体的な視点を整理した資料でございます。

真ん中あたりでございますが,個別の視点の下の「2 大学教育の質的転換」では,全学的な教学マネジメントの改善,抽象的基準の明確化や一覧性の向上の観点からの大学設置基準の明確化,学修成果を重視した評価などの認証評価制度の改善・充実を個別の検討の視点として掲げているところでございます。

次に,資料5を御覧ください。

資料5は,最近の大学の質保証に関する主な提言をまとめた資料でございますが,いずれの提言におきましても設置基準,あるいは設置認可,あるいは認証評価,あるいは情報公表などの質保証の様々な仕組みを一貫して改善することが必要であると,そういった指摘を頂いているということがかいつまんだポイントとなっているところでございます。

具体的に紹介させていただきますと,まず,本年6月に閣議決定された教育振興基本計画においては,大学等の質の保証として,制度の改善や制度間の連携強化,教育研究活動の可視化促進などを基本的な考え方とした上で,9-1にございますように,質保証のためのトータルシステムの確立ということが掲げられているところでございます。

次に,2ページ目でございますが,教育再生実行会議の第三次提言におきましても,大学教育の質を一層保証する総合的な仕組みの構築が提言されているところでございます。さらに,大学設置の在り方の見直しに関する検討会の報告におきましても,設置認可制度に関します個別の改善の提言のほか,資料4ページ目の下の方,3の(1)というところでございますが,認可後の事後チェック機能の強化を含む質保証のトータルシステムの確立として,認証評価制度も含めた質保証の一貫した改善ということが提言されているところでございます。

次に,資料6を御覧ください。資料6は,大学の質保証システムに関する概要あるいは現状について整理をした資料でございます。主な資料をかいつまみながら,大学の質保証システムの概要についてまず説明をさせていただきます。

資料6の3ページは,質保証全体のイメージ図を付けているところでございますが,大学の質保証は赤字にしております各大学の学内での内部質保証の取組を基本としつつ,青字にしてございますが,設置認可,設置基準,認証評価,さらには情報公表などの大学外部の質保証システムが構築されているところでございます。

そして,大学外部の質保証システムにつきましては,その下,4ページにございますように,平成15年前後に大きな制度改正が行われておりまして,事前規制から事後チェックへという規制緩和の流れを踏まえまして,設置認可制度につきましては学部などの設置に当たって,学問分野を大きく変更しないものは,事前審査を不要とする届出制度の導入などの弾力化が図られる一方で,事後チェックの第三者評価といたしまして認証評価制度が平成16年度から導入されているところでございます。

5ページ以降に質保証システムの事項ごとに関係の資料を用意しておりますが,まず,各大学の内部質保証に関しましては,6ページにございますように,平成20年の中教審答申におきまして,学位授与の方針の明確化などが提言されるとともに,教育研究目的の明示やシラバスの公表,成績評価や卒業認定の客観性の確保などに関する大学設置基準の改正も行われてきたところでございます。

さらに,7ページでございますが,昨年8月に取りまとめられました,大学教育の質的転換の答申におきましては,組織的体系的な教育課程への転換のための全学的な教学マネジメントの確立や,各大学の取組を促進するための教学に関する制度の見直しなどが提言されているところでございます。

次に,設置認可制度につきましては,先ほど述べましたように,平成15年度に弾力化が図られ,資料の10ページにございますように,弾力化直後は申請件数が一時増加いたしましたが,近年は減少傾向にございまして,11ページにございますように,大学・短大の合計数も減少傾向にございます。

また,12ページにございますように,ペナルティ制度や早期不認可制度の導入などの制度改善が行われるとともに,一時300件を超えていた届出件数も減少傾向にあり,近年は弾力化の方向の中でも一定の質の確保が図られていることがうかがえるところでございます。

そして,14ページでございますが,本年2月の「大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会」の報告の概要でございますが,設置認可制度に係る制度の改善につきましては,大学設置・学校法人審議会で検討が行われることになっておりますが,この中で2.(1)設置基準の明確化や,3.の事後チェックの仕組みである認証評価制度などにつきましては,本部会を中心に審議をお願いしたいと考えているところでございます。

加えて,資料の16,17ページに,届出設置制度に関する資料を付けておりますが,16ページにございますように,届出設置は,大学が授与する学位の種類や分野に変更がない場合に認められるもので,その判断基準といたしまして,17ページにございますような学位の種類及び分野の変更などに関する基準が定められているところでございます。

しかし,当該基準におきまして,一部の学位の分野が大くくりに定められていることや,既存組織の教員の半数以上が改組後の組織に移行する場合には,学際分野として取り扱うといった取扱いのために,質保証の観点から課題のある例も見受けられるところでございます。

このような中,設置認可自体の検討につきましては,大学設置・学校法人審議会で行うわけでございますが,大学設置・学校法人審議会の審議も踏まえながら,この学位の種類や分野の変更に関する基準の見直しにつきましても,本部会において審議をお願いしたいと考えているところでございます。

次に,19ページは設置基準の概要でございますが,この設置基準は大学の設置審査,さらには,認証評価における基準ともなるものでございますが,一部には規定ぶりが抽象的であり,基準という役割,機能から明確化が必要と指摘がされているものもあるところでございます。

具体的な規定といたしましては,例えば20ページは,別地キャンパス,すなわち複数のキャンパスを置く場合の規定でございます。複数のキャンパスを置く場合には,それぞれのキャンパスに必要な教員や施設設備を置くことを設置基準で求めているところでございますが,具体的な施設,設備の内容や校舎面積などが明確になっていないという課題があるところでございます。

また,21ページは,授業の一部を校舎以外で行いますいわゆるサテライト・キャンパスの基準でございますが,そのサテライト・キャンパスの基準につきましては設置基準,さらには告示で具体的に定められているところでございますが,その内容が別地キャンパスの場合と区分が明確でなく,また,定められている要件が質保証において十分なものか検討する必要があるという課題があるところでございます。

次に,22ページは,専任教員に関するものでございますが,専任教員は専ら一つの大学の教育研究に従事することが定められておりますが,大学以外との業務との関係などの専任性に関する基準が必ずしも明らかになっていないということが課題として指摘されているところでございます。

また,23ページの大学院大学に関しましては,大学設置基準の適用除外や大学院設置基準の規定が抽象的なことから,校舎面積などの数量基準が明確になっていないといったことが指摘をされているところでございます。

このような基準につきまして,質保証の充実という観点から,規定の明確化が求められているところでございます。

次に認証評価制度について説明をさせていただきます。

25ページに認証評価制度の概要を付けてございますが,認証評価制度は平成16年度から7年以内ごとの機関別評価と専門職大学院を対象にした5年以内ごとの分野別評価が行われているところでございます。

そして,26ページから29ページにかけて,認証評価団体の一覧や評価に係る基準,あるいは評価実績を付けております。

そして,30ページでございますが,既に認証評価につきましては,第2サイクルを迎えているところでございます。そうした中,各認証評価団体におきましては,教育研究環境を中心とした従来の評価に加えまして,学修成果や内部質保証に関する評価,あるいは地域貢献活動や教育の国際化などの大学の機能に着目した選択的な評価に取り組むなどの工夫・改善に取り組んでいるところでございます。

このような中,31ページは,昨年,文部科学省で取りまとめた大学改革実行プランの評価制度の改革の方向性に関する資料でございます。具体的には,最低限の質保証のための評価を簡素化し,国際的な教育活動等の特定の教育研究活動に重点を置いた機能別評価,あるいは学修成果を重視した評価などの評価の仕組みの改善,あるいは評価の効率化,あるいは高等学校や産業界などの幅広い関係者の評価への反映などが掲げられているところでございまして,このようなことも踏まえながら認証評価制度の改善について審議をお願いしたいと考えているところでございます。

最後に,情報公表でございますが,33ページは,情報公表に関します制度の経緯をまとめております。平成11年に情報提供に関します規定が大学設置基準に規定されましたが,下から二つ目にございますとおり,平成19年には,学校教育法の改正によりまして,法律レベルで規定をされた上で,平成23年には,学校教育法施行規則の改正によりまして,各大学が公表すべき具体的な項目が9項目施行規則に規定されたところでございます。

そして,この学校教育法などに基づく情報公表の義務は,各大学がそれぞれのホームページなどで行うのが基本となっているところでございますが,各大学による情報公表の取組に加えまして,情報発進の共通的な仕組みとして,大学ポートレート(仮称)の構築が検討されているところでございます。

その経緯を34ページにまとめておりますが,文部科学省の協力者会議や大学分科会の議論も踏まえまして,大学コミュニティの自主的な検討の場として,大学ポートレート準備委員会が平成24年2月に設置され,具体的な検討を行っているところでございます。

昨年11月には,35ページにございますように,準備委員会のもとのワーキンググループが検討経過報告を取りまとめ,公表する情報の範囲や公表の形式につきまして整理を行ったところでございまして,平成26年度からの本格稼働に向けて必要な検討や準備を進めているところでございます。

最後に資料7を御覧ください。資料7は,ただいま資料6に基づき説明いたしました質保証システムの現状や課題を踏まえまして,本部会の当面の主な検討事項を整理したものでございます。大きく二つの観点に分けておりますが,まず一つ目は,昨年8月の中教審答申で提言されております,大学教育の質的転換を促進するための質保証システムの在り方でございます。大学教育の質的転換を推進するためには,各大学の取組に対する評価や教育情報の高校生等への情報公開が重要になると考えられます。このため学修成果や内部質保証を重視した評価の在り方や,特定の教育研究活動に重点を置いた評価などの機能別分化の進展に対応した評価の在り方,評価結果を具体的な教育活動の改善につなげる仕組みなどの認証評価制度の改善を,本部会の検討課題に掲げているところでございます。

なお,○2の情報公表につきましては,先ほど御説明いたしましたように,文部科学省の協力者会議や大学分科会での議論も踏まえつつ,大学の教育情報の公表の共通の枠組みの構築につきまして,大学ポートレート準備委員会において検討が行われているところでございまして,その検討状況は適宜御報告の上,審議をお願いしたいと考えております。

次に,2ページ目でございますが,観点の二つ目は,質保証の充実のための設置基準などの改善でございます。現在,大学の設置認可の在り方の見直しに関する検討会の報告も踏まえまして,設置認可制度やアフターケアの見直しにつきましては,大学設置・学校法人審議会で検討が行われているところでございますが,平成15年度の設置認可制度の弾力化などの制度改正後の状況を踏まえまして,抽象的な基準の明確化などの観点からの設置基準の見直しや,届出設置制度におきます組織改編の抜け穴的な事例を踏まえた学位の分野の取扱いに関する基準の見直しについて審議をお願いしたいと考えております。

資料には,現時点で検討課題と想定される具体的な基準といたしまして,先ほど資料6に基づき説明させていただきました内容を改めて記載しているところでございます。

なお,認証評価制度などに関しましては,制度全般についての課題や改善事項を全般的に御議論いただいた上で,全体的に制度改善を図っていくことが必要と考えております。一方,大学設置基準や学位の種類などに関する基準の規定につきましては,個別の事項や課題といった性質のものでございますので,設置認可審査などに速やかに反映させるために,順次改正の方向を取りまとめていただきたいと考えております。

さらに,本部会における設置基準や認証評価制度に関する検討とともに,大学設置・学校法人審議会における設置認可制度に関する検討も踏まえつつ,設置基準,設置認可,認証評価などの質保証に関係するシステム間の相互連携も含めまして,質保証のトータルシステムの全体の在り方についても審議をお願いしたいと考えているところでございます。

説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【佐々木部会長】  御説明ありがとうございました。

この後,今後この部会で検討すべき課題について御議論を頂きたいと思っております。

今の室長の説明を踏まえまして,私なりに第6期を振り返ってみますと,第6期の大学教育部会では,世界が今,大きく変化しつつあるということ,その中で日本の大学の学生の学力の低下とか,あるいは卒業生すなわち学士の社会人基礎力の不足とか,こういうことが指摘されていて,その大学教育の質的な転換,質的な向上が待ったなしの課題であるという認識で議論を進めてきたわけです。

これを改善していくためには,まず教育目標が明確にされる必要があるということ――これは,第5期に議論されました大学の機能分化という問題に関わっておりまして,その機能分化を大学の「個性化」という概念で捉え直して,それぞれの大学の行うべき教育の目標,養成すべき人材像の明確化が必要であろうという議論をいたしました。

また,その「人材像」と目の前の学生をつないでいくのがカリキュラムであるとすれば,そのカリキュラムを体系的に組み直す必要性,あるいは教育が教員個々人のプライベートエリアに預けられるのではなくて,大学あるいは学部が組織的にこれを行う体制が必要であること等を議論してまいりました。

昨年の8月の答申では,こうした課題を,学生の学修時間が決定的に不足しているという現状の認識を一つの手がかりにして,そこから学修時間を充実させていくための諸方策を見いだすという方向で答申をまとめた次第であります。その先に残されていたのが,教育の質保証を進めていくための大学の教学ガバナンスの問題であったと思います。

それから,明確な人材像を設定し,個性的な教育を行うそれぞれの大学の教育努力を的確に評価をする必要性,すなわち,認証評価においても,いわゆる外形的な画一的な評価ではなくて,それぞれの大学の個性に応じた教育の成果を的確に評価すべきであろうという評価の在り方の問題が残されていたと思います。

大学の個性化という点は,田中室長から説明がありました「大学ポートレート」の準備委員会において,情報発信という側面を重視しながらその進め方が議論されていたと認識しています。

残されていた課題のうち教学のガバナンスにつきましては,今期新たに部会が設けられて,そこで責任を持って議論をされることになっているようです。

ただいま室長から説明がありましたが,本部会の課題は資料7に集約されていると考えます。二つの課題が示されておりまして,まず1ページ目には,大学教育の質的転換の促進という課題です。資料をずっと読んで気がついたのですが,「大学教育の質保証」という概念と「大学の質保証」という概念が使い分けられていると思うのです。つまり,第1番目には,第6期の議論の延長線上で「大学教育の質的転換」を促進するための諸方策について残された課題をさらに議論していこう,ただし教学ガバナンスの問題については別の部会に委ねると,こういうことであろうと思います。

2枚目に書かれている質保証は,教育を含む大学の機能全体の質保証の課題であり,具体的に挙げられていますのは,設置基準の必要な見直しです。少し踏み込んだ言い方をしますと,抽象的な基準を明確にする,あるいは抜け穴的な事例が生じないようにリジットに基準を定めていく等々です。教育の質保証のバックボーンになる大学としての存在をきちんと整えるために設置基準等の制度改正を含めて議論する,こういうことだと思います。

この2番目の課題は,従来,部分的には大学教育部会で扱ってきた経緯もありますが,このように大学自体の,ハード面も含めた質保証という問題は,この部会に与えられた新しい課題ではないかと私は認識しているところです。

そこで,この後,約1時間ぐらい,こうした事務局の提案・提示に基づいて,大学の教育の質保証並びに大学の質保証に関わって,本部会として検討すべき,議論すべき課題について,御意見,御提言を頂きたいと思います。

どなたからでも結構ですのでよろしくお願いいたします。この会議は,議長はほとんど要らない,交通整理をやっていればいいというのが従来の姿でありましたが,引き続き今期も活発な御議論をお願いしたいと思います。

【濱名委員】  大学の質保証システムに関しては,二つの問題があるわけですけれども,特に気になっていますのは,その制度的な側面である,設置基準に関わる問題は割と緊急性が高いと思います。それというのも,私も佐々木部会長と同じような認識を持っていまして,大変多岐にわたっており,実は設置基準単独で済まない問題ということで,他省庁との関係,あるいは高等教育局以外の局が所掌しているものとの基準との整合性なども問われなければならないことが多々出てきているのではないかと思います。

例えば第6期で学位プログラムということを非常に強調して我々議論してきたわけですけれども,例えば教員養成を例にとれば,専門教育と一般教育というのをまだ完全に区分して考えていますし,前提になっているのは,あくまで学科となっているということです。設置基準自体が学科単位なのですが,例えば筑波大学のケースのでありますと学群とか学類とか,そういう教育組織と教員組織の問題について,現在の設置基準というのは基本的には,その教育組織と教員組織が一致していることを前提に定められていて,それを読み替えで運用している。そのあたりの複数の基準の整合性を整理しないと,教員養成制度と高等教育の設置認可制度はもう既に整合性がないという部分が出てきていると思います。

二つめの問題は,最近,読売新聞の記事にもありましたが,多様化の行き過ぎで交通整理をしなければいけない,学位に付記する専門分野の名称が700以上というようなことについては,基準自体の整合性と合わせて基準が適用できないほど多様化してしまっているものを整理しないと,大変困る事態になっている,この二つの点が大変気になります。

それともう一つは,これは設置認可に関わる仕事を幾つかやらせていただいて思っているのは,大部分の大学は真面目に努力をして改善のために工夫をしているわけですけれども,一部やはり確信犯ではないかと思うぐらい,そもそもの制度や仕組みを守る気があるのか疑いたくなるというようなケースがまま見られるようになってきました。つまり,現在の設置認可制度とか様々な基準は性善説に基づいて,大学人の自主性と見識を前提にしてやっているのですけれども,それだと実質的にはペナルティとか不利益を被らなくて済む。実効性のある,ルールがルールとしてやはり守られる,つまりルールを守らない確信犯としてやっているものについての何がしかの制度的な補強をしないと,行政指導とか公表ということだけでは残念ながら,その性善説が通用しにくい相手に対しては非常に大きな問題が出てきているのではないかと,以上のところが今,お話を伺っていて思ったところでございます。

【佐藤委員】  基本的に濱名委員と全く同様の認識でございます。先ほど部会長が二つのテーマ,一方が大学教育の質保証,その基盤でもある大学の質保証と,私はとりわけその後段の方に長く関心を持っております。

設置認可の仕事に長年関わっております関係上平成15年の前と後で全く様変わりしたこの認可制度も遅過ぎるぐらい,待ったなしの見直しの時期だと思っております。

昨年の秋にああいう形で文部科学大臣が発言されたことの是非はともかくといたしまして,ああいう形で問題提起をせざるを得なかったような状況というのは,考え方によっては設置審,あるいは中教審がこの問題の所在に気づいていながらも,何ら具体的な手を打ってこなかった,私どもの無策にもあるのではないかと事後反省したりしているところであります。

とりわけ細かいことはいろいろございますけれども,設置基準の一覧性を高める,それから,解釈によってどうにでもなるような表現の仕方を改める,どのような立場のものでも解釈に振れがないような精緻な設置基準に編み直す必要性,並びに認可審査のルール,これを改めて15年のあの規制緩和のときにほぼ無原則的に緩和してしまった。その時点までもう一度戻りながら,今の時代に必要な基準の再整備,されは本当に待ったなしだと思っております。

併せてそれだけで事が済むのではなくて,今も御発言ありましたように,認証評価制度までに至る一連のシームレスな質保証のシステム作りということも緊急な課題であると思っております。

【鈴木委員】  この資料7の1.の方は,大学教育の質的転換という具体的な教育の質的転換ということで,部会長は,先ほど御挨拶の中で現場の意識を変革するということと,制度的な取組があるのではないかとおっしゃって,この資料7では,それが1と2と分かれていると解釈しているのですが,今,お二方から2.の方について御発言があったと思うのですが,1.の方もやはり第6期のこの大学教育部会では,例えば体系化とかナンバリングとか,そういうことを議論しまして,ああいう答申になったわけですけれども,もう少し教育現場というところに本当に踏み込んで各教員による質の保証,授業における質の保証ということを具体的に考える必要があるのではないかと思います。そこから何か1番目の質の保証にもう1回,抽象度を少し上げて考えるということもできるのではないかと思うのですが,そうなったときに,非常に具体的にどういう工夫というか,小道具というか,そういうのがあるのかといったときに,例えば私は,シラバスということはもう義務化されておりますので,これは教育の現場において教育がどういう体系化,あるいは順次性を持って具体的に毎回授業が行われていくのかということを明記するものだと思います。

それに対して,どのくらい工程表に対して実際に達成,学修が達成されたかということが表裏一体というか,セットになって教育現場の質の保証というのがなされるのだと思うのですが,要するに実際はどうなのかということは最近話題になっておりますこのルーブリックとか,そのシラバスとルーブリックがセットになってクラスが運営されていくということが必要なのではないかと思う次第です。

それから,やはり教員の,第5期では学士力,あるいは学士課程ということが言われましたけど,それに対応する教師力,教員力ということがどうしても必要になってくるわけで,そのためのこのTAの制度というものをきちんと確立して,TAを経験する。大学院の学生たちが多いわけですけれども,TAというのがいわば大学の先生になる前段階の準備の段階だということになれば,TAというものをもう少ししっかりと定義をして導入する必要があるのではないかとも思います。

どうもTAと言われているものの内容が不透明であるし,不完全な解釈であると私は思っております。

それから,国際化ということも,グローバル化ということも議論していかなければいけないでしょうけれども,必ずしもグローバル化が英語で授業をするということとは直結はしないのですが,しかし,基本的なところは英語で授業をということがどうしても避けられないと思いますので,このことも教育の現場ではどう取り扱うのかということを考えていかなければいけないのではないか。

以上,非常に具体的なことを議論をして,それをどう消化させていくかということが問題点としてあるのではないかと思います。

【山田委員】  私は,先ほど部会長がおっしゃられました,資料7の1ページの大学教育の質保証ということで少し発言させていただきたいと思います。

まずこの中,この第7期の検討課題例といたしまして,学修成果や内部質保証を重視した評価の在り方という方向性というのは,やはり既に諸外国はもうこうした方向性へと移っていると思いますし,実際にそうした中で評価を充実させてきているので,その方向性でよいと考えております。

実際に,私ども大学間連携でこうした内部質保証になるような仕組みということを考えて,実際にこの4年間活動してきたものがございまして,それはこのメンバーであります奥野委員の大阪府立大学や濱名委員の関西国際大学も一緒に入っていただいている大学,IRコンソーシアムというところで,学修成果型の内部質保証のシステムの支援ツールみたいなものを作ってまいりましたが,4年間行ってきた中で,そういうデータを見ると,一つよくわかりますのは,大学間連携でするということは,一大学ではできないこと,つまり内部質保証の支援ツールとしての学修成果型をチェックするという機能なのですが,そうしてみますと,学修成果を例えば教育改善に生かすとか,学修成果を上げるというのを大学というこの環境の中だけで見ることは非常に難しくて,どうしてもやはりインプットの部分である高校までの部分というのが非常に意味を持ってまいります。高校教育までの成果というところです。

そういう点からいいますと,諸外国の場合は,やはりそのあたりが標準的な成果を図る仕組みというものが高校卒業までにあるのですが,日本の場合は非常に多様でございます。それは第6期の部会でも随分議論になってきたと思います。

そういう中で,恐らく高大接続特別部会というものが設置されて,時限付きかもしれませんけれども,機能してきているのではないかと思うのですが,私が申し上げたいのは学修成果を大学だけで図る場合,例えばインプットの部分が分からないままに成果を上げたといっても,それは大学によって随分ばらつきがございますし,例えば一大学が非常に上げたといっても,もともとがそうでなかった場合でしたら上げるのは簡単で,そうではない,そこそこのところで保証されて入ってきている学生が多い大学でしたら,学修成果というのはなかなか図りにくい部分もあると思います。そういうところの調整というものはどのようにしていくのか,だから,高大接続特別部会との関連性とかそのあたりというのが分からなかったものですから,この第7期の中ではどのように考えたらいいのかも教えていただければと思います。

【浦野委員】  私も,質保証のところについてお話をさせていただければと思いますが,今まで何度も申し上げてきたのですが,やはり産業界から見たときに,大学に研究力の高さを求めるというのは,もちろんですけれども,やはり従来以上に大学の教育力というところに非常に今,期待をしているわけです。それは一言で言うと,かつては一部のすぐれた人たちが大きなイノベーションを起こして,それを全体で盛り上げていけばよかったのですけれども,今はそうではなくて,ごく普通の人が新しい小さな価値を産めるような,小さなイノベーションを起こせるような,それが連続的に起きていかないと,今の日本の社会ってやはり回っていかないと思うのです。

そういう意味で,大学の教育力ということにものすごく期待をしているわけでして,はっきり申し上げて,企業がそういう教育力を社内教育で発揮することはもともと出来ていないということが前提にあるわけです。

そういう意味で,資料7の中で,今も山田委員がおっしゃったように,学修成果に注目し,内部的な質保証をやっていくということは,もう大前提として必要だと私は思うのですが,ここで企業がかつて歩んできた歴史から学べることは,やはり内部だけでなくて外部からの評価ということが非常に自分を変えていく,自己評価だけではいびつになるところを外部からの評価を頂くことによって,随分企業は変わってきたと思います。30年前であれば企業というのは本当にできるだけ外に向かって発言せずに隠して,メインバンクとだけやりとりしていればよかったのですが,今はもう企業はざっと数えただけでも10以上のステークホルダーに対して,様々に説明をしていかなければいけないし,評価も受けるわけです。しかも,そのステークホルダーの方々が要求されることは,それぞれの立場によって全く違います。例えば,普通のお客様であればよいものを安くとおっしゃいますし,株主になればとにかく利益を上げて配当高めてくれと言いますし,あるいは社会全体から見たらきちんと人々を雇用して,そして,納税力を高めてくれと,税金をたくさん納めてくれというようなことがありまして,ある意味矛盾した様々な要請に企業は応えていかなければいけないです。

私は,大学も多分一緒だと思うのです。この内部質保証ということは,とりあえず教学マネジメントを,ガバナンスを変えることによって始まること,これは私も承知しています。例えば筑波大学なり金沢大学で今,始まろうとしていることは,企業の目から見ても大変変化に富んだ教学マネジメントにチャレンジということで,評価するものでありますけれども,そこだけにとどまる内部質保証というのは,企業でいったら内部監査程度の話です。

例えば,同じその内部でも学生とあるいは職員の方々と,あるいは技術職員の方も含めて,どのように本当にこの質保証ということを作り上げていけるか。あるいは直接的なステークホルダーでいくと,保護者の方々もそうでしょうし,あるいは高校で,高等学校から見たときにどうなのかということもありますし,あるいは企業,産業界から見たときにその評価はどうだとかということもあります。ですから,是非資料7の1.の一番下にある評価における社会との関係の強化といったことがおざなりにならないように,本当にそれぞれのステークホルダーに対してどういう意見を求めていくのか,どういう評価を受けていくのかといったところまで踏み込んで,この認証評価ということを考えていただければと思います。

【金子委員】  私は,先ほど佐々木部会長がおっしゃったように,1番目の質保証の在り方と,設置基準の改正と,2本柱でやることは非常に重要だろうと思います。実際,後者の設置基準については,見直すべきところが相当あるということも事実であります。

ただ,私は,全体の大きな方向としては,設置基準をより精緻化して漏れを少なくするというのではなくて,やはりむしろ柔軟に様々なイノベーションを行っていって,それをきちんと評価できる認証評価にするというのが大きな方向であるべきだと思います。

今,浦野委員がおっしゃったように,やはり様々な意味での,そういう意味ではいろいろなところから批判を受けてイノベーションを行ってそれをうまくいったものを取り入れていくと,あるいは広げていくということが基本的にやはり大きな方向なので,今,確かに認可制度に,1991年の大綱化以来,様々なところで不備な点が目立っていることは事実でありますけれども,そこのところの再整備そのものがやはり自己目的化するべきではないだろうと思います。

それで更なる問題は,認証評価制度でむしろ重要なのは,前向きにいかに競争を起こしてイノベーションを起こして,それをどうやって評価していって社会にそれを見てもらって,よりよいイノベーションを作っていって,それが新しい競争を生むかという点で,これは実は大変新しい課題で,今まで設置認可,認証評価もある意味では設置基準によりかかって,その外形的な基準を満たせればそれでいいという基準で一応やってきたわけですが,むしろ教育の内容を問題にしなければならないと,これは結構難しいと思うのです。どのものがいいのかということも問題になりますし,あるいはどこだったら,どうしたらアウトなのかという基準も非常に実は見つけにくいところはあります。下手をすると恣意的だという批判も受けるかもしれない。ただ,いろいろな意味でやはりそういったことを,そちらの方向で進まなければならないだろうと思います。基本的には,そちらの方が大きな方向としては重要だということを一つ申し上げておきたい。

もう一つは,これは,私,前回の委員会から何度も言っているのですが,情報公開が約束したものが行われていない。これは情報公開,この大きな横長の保証システムに関わる現状等についてですけど,33ページに情報公開についていろいろな経緯が述べられていまして,35ページに検討の経緯がございますとおり,23年8月に委員会ができました。私も委員として入っておりましたが,このときには,この年の末には,学校基本調査程度で得られる情報については,特に支障がない限りは学校名を付けて公表したらどうかということが大体了解されていたと思います。

その次の年にポートレート,これは様々な工夫が必要だから,その次に本格的にやりましょうという話だったと思うのですが,この経緯をよく見てみますと,だんだんそれは遅れてきて,さらに後退しているということが非常によく分かります。学校基本調査のそのままの数字の個別の大学名を付けての公開というのはもはやもうここには書いてありません。

それから,今後のスケジュールで,平成24年度中に国公立大学の学校基本調査の情報を発信というので,国公立についてはやっているわけですけども,私立については何も書いていないわけです。

ポートレートについても,これは個別大学について何かグラフを出すということで,大学別に比較はできないというものは構想されているわけでありますけれども,例えば各大学の学部別の教員数と学生数,また教員も常勤教員と非常勤教員というものに分けたものを各大学別に拾おうとしますと,ホームページからすぐ分かりません。公開していると言っている大学はほとんどですが,ホームページから見ていると,まず,そこにたどり着くのも大変な苦労をします。

一般の例えば高校生が,自分が行きたい学部を比較しようとしたときに,どこの大学にどれくらいの学生がいて,それにどれぐらいの先生がいるかということを簡単に比較するような基盤がないのです。

これは私は,いろいろな意味で認証評価といいますか,公開性をもって更に前向きの競争を作り出すという基盤はできていないし,一旦その作ったというものが後退したというのが,私はこれ,非常に理解し難い点でありまして,何回でもこれはもう,この会議あるたびに申し上げようと思いますけれども,その背後にはやはりかなり,それは適当ではないという御意見があるということは想像いたしますけれども,それはそれでもしそういうのがあるのであれば,明確にやはり議論させていただきたい。

このポートレート委員会でも,その機会が与えられるたびにそういう議論をしていますが,私は公開しないということに全然納得しておりません。これをやらないと様々なもののバランスの上からも,この前向きのステップが始まらないと思います。しつこいですけれども,これは何回も申し上げていますけれども,ここで申し上げます。

【川嶋委員】  3点あります。まず制度的なところで,今,金子委員からもお話があった認証評価に関連して意見を述べさせていただきます。

今の日本の大学設置の審査がそもそも実績ではなくて構想に基づいて設置を認可している,可否を決めているというところから考えれば,当然,そのアフターケアとか認証評価といった事後評価の役割は非常に重要で,これを一層充実しなければなりません。しかし,先ほどから部会長とか金子委員からもお話ありましたとおり,今の認証評価の仕組みというのは外形的な要件,つまり設置基準上の様々な基準をまず満たしているかということを認証評価機関がきちんとその基準の中に入れておくべきだというのがその省令で定められているわけです。認証評価自体の目的については,学校教育法で総合的な教育研究水準を確認する意味で自己点検評価に基づいてということが定められています。

先ほども佐々木部会長もお話ししたように,やはり重要なことは,それぞれの大学が掲げた人材像とか,あるいは教育目標がきちんとある一定の期間の中で実現できているか。これはアメリカでも随分昔からインスティテューショナル・エフェクティブネスと言って,要するに大学がきちんと教育機関として効果的に目標を実現しているかというところをアクレディテーションは見ていくというように変わってきているわけですから,今後,我が国の認証評価の在り方も,その認証評価に関する様々な省令の改正も含めて,より個々の大学の教育目標がきちんと実現できているかどうかということを確認することを最重要課題にするような形での変更が求められると思います。

2番目は質保証に関してです。先ほど鈴木委員からもお話あったことに関連するのですが,今の日本の仕組みですと,個別の授業の積み上げ,個別の個々の単位の積み上げが最終的に4年在学,124単位以上を修得した場合に卒業並びに学士という学位を認めるという仕組みになっているわけです。そうであれば,質保証で一番重要なのは,個々の授業できちんとそれぞれの学修・教育目標が実現されていて,そこできちんと成績評価がなされて,それで合格,不合格が判定され,単位が厳格に付与されているかされていないかというところが非常に重要だろうと思います。

そういう意味で,これまでも厳格な成績評価ということが強く言われて,GPAの導入ということも言われてきておりますけれども,やはりこれも今のところ実効化されていないということだろうと思います。

これは一方で,入ってくる大学生と教員,大学側の相互の問題があって,入ってくる学生にとっては,とにかく大学に入ることが目的になってしまっていて,その後しっかり勉強するということについてのモチベーションがなかなか沸きにくいという仕組みになっている。そういう意味で,今後,大学入試の在り方についても議論は進むのでしょうけれども,もう少し大学入試についての考え方なり負担を和らげて,入ってからの学修にモチベーションが沸くような大学入学者選抜の仕組みにするということが必要です。

それから,やはり収容定員の1.2倍とか1.3倍で様々なペナルティがかかるという仕組みがあるわけですけれども,それでも大学や教員はそれぞれの学修目標に到達しない学生は厳しく評価するというように意識を変えていく必要があります。しかし,ただ単に成績評価を厳しくするというだけではなくて,そういう学生に対しては何らかのセーフティネットとか,再履修の機会とか様々な支援の仕組みをつくった上で厳しく単位認定するというように,意識や仕組みを変えていくということがこれから求められると思います。

最後に,非常に細かなことかもしれませんが,先ほど設置基準についてあまり詳細に決めない方がいいというお話がありましたけれども,例えば1単位は45時間の学修ということになっているわけです。そして講義については,15時間から30時間の授業をもってということが設置基準で定められているのですが,私の大学も含めて2単位科目は実は90分です。そうすると1単位に換算すると45分かける15回で授業時間そのものも11.25時間といって,設置基準が定めている必要な講義時間に足りないのです。もう既に設置基準違反の状態が起きているわけです。

これを設置基準に合わせてやるべきか,もっと柔軟に考えるべきか,二つの方向性があると思うのですけれども,オンラインの授業とかいろいろな新しいイノベーションが入ってくるということを考えると,一方で大学はやはりきちんと,これは金子委員ではないですけど,私も前々から言っているように,週1回の90分,それも設置基準に足りないような授業をやめてきちんと設置基準に合わせた形で複数回,例えば,1時間の授業をきちんと週3回やるとか,90分授業ならば週2回に変えるとか,そういういろいろな工夫をすると同時に,一方で設置基準も今後の様々な教育におけるイノベーションを勘案した形で,教育の実の方を重視するような形の設置基準の改正を今後考えるべきではないかと思います。

以上です。

【谷口副部会長】  今,いろいろな話が出ていますが,せっかく事前の評価から事後の評価という大きな流れがあって,事後の評価を,きちんとしていくということが基本だということをもう1回見直すというか,思い出すということが大事だと思います。いろいろな努力の結果,いろいろな成果をどう評価するのかというのはいろいろと議論がもちろんあると思いますが,やはり事後にきちんとできているかを評価することが重要です。入口のところでいろいろ決めるということももちろん大事なことですけれども,やはり最後は事後のところできちんとできているかどうかということを決めるということが原則であることを,もう1回思い出したいと思います。

また,そういうことをしっかりやっていくために,先ほど金子委員が言われたように,ずっと前からデータを公表しましょうとなっているのですからそれをきちんとやっていくことが大事です。しかも,そのデータの出し方もばらばらではなくて基準をきちんと決めて,定義をしっかり決めて,きちんと比べられますというような形のデータをしっかり出すということをもう1回きちんとやらせていただくということが,やはり大事だと思います。

そうするとどんどん変わっていくことができると思います。外部からの評価もきちんと受けて,もちろんステークホルダーがありますからいろいろな見方はあると思いますけど,そういうものを受け止めて,その事後の評価をきちんとしていくということをここの委員会の中で議論をさせていただいくことが非常に大事だと思いますので,その辺よろしくお願いしたいと思います。

【吉田委員】  2点ほど申し上げたいと思います。

一つは設置基準にしても,認証評価にしても,その評価をどう考えるかという問題がありまして,設置基準については委員の多くの方々が,性善説に立っていてはだめなので,性悪説に立って厳しくせよということをおっしゃられております。それはそれで一つの在り方かもしれませんが,やはりその大学人としての一定の同僚性みたいな部分もどこかに残しておくべきではないかという気もしております。

ただ,設置基準そのものは,新規の大学がそれほど増えてこない状況の中で,むしろその届出制のような部分とか,それから,設置基準に直接関わるわけではありませんけれども,その学位の種類,学位名称が非常に多様化している状況とか,そちらの問題についても少し考えるようなことがあってもいいのではないかと思っております。

それとともに認証評価なのですが,現状では,これはミニマムリクワイメントのような形になっておりまして,そこの部分をとりあえずパスすればいいというような形になって,むしろこれはある基準を達成できなかったところに対して,それを問題の指摘をするという形の評価になっております。

ただ,その評価を考えたときに,ミニマムリクワイメントも一つですけれども,他方でその教育の質を上げようということを考えるのであれば,特段にすぐれたようなところをきちんと見出すという形の評価をこの中にうまく組み入れることができないのかと思っております。

もう大分前ですけれども,GP制度というのを10年ぐらいやっておりまして,あれはある意味,日本の大学が組織的に教育に取り組む非常にいい契機になったと思います。それがある意味,あるところでやったことがいろいろな大学に波及するというような効果も持っていたと思います。残念ながら,GP制度は事業仕分けにあって予算が付かないような状況になってしまいましたけれども,それを認証評価に組み入れようというのは,少し話が飛びますけれども,頑張っていろいろな取組をやっているところをきちんと見出して評価をするというような仕組みがどこかにあってもいいのではないかと思っております。

2点目は,学修成果の問題ですが,これは非常に悩ましいことなのですが,日本の場合,大学でよい成績をとるということに対してさほどモチベーションが沸かないという仕組みがあります。確かにGPA制度も取り入れられておりますし,様々な成績向上の仕組みもありますけれども,学生から見ればいい成績をとらなくてはいけないという緊張感というのはあまり強くないのです。そういったことが自主学修をせよ,あるいは授業にきちんと出て勉強せよということに対しての外形的な圧力はかかっても,やはりモチベーションとしてうまく働かない。そのあたりは悩ましいのですが,それを企業に採用時において成績をきちんと見てくださいということにすれば済むのかどうかというのは何とも言えませんけれども,何とかならないだろうかということは非常に強く思っております。

以上です。

【黒田副部会長】  非常に今,重要なお話をされているのですが,これは第5期からずっと続いた話です。何とかやりたいと思いながら動いてくれないという,それが現状でありますけれども,今回のこの第7期はとにかく各大学が実際に動けるようなことを提言していかなければいけないと思います。

まずは,大学の質というのは何かということが問題になってきます。機関としての大学の質を国際的に通用し,共通するような質をどのように日本として維持するのかという問題。それから,この大学の教育の質といった場合に,学部教育なら学部教育というものが2年前から言われている学士課程の学位に基づくプログラムというのがきちんと組まれるかどうかということです。したがって,大学の質としては,機関としての大学の質と大学教育としての質があります。機関としての大学の質は大学設置基準で最低基準が保証されていますが,後段の大学教育の質については,現状の大学の中では改革が非常に難しいことです。というのは先ほどもお話がありましたが,単位というのは教員個人に付いた権利として扱われています。それを組織的に学位プログラムを作ってプログラムに合ったカリキュラムを作って,シラバスを作る,そのシラバスに基づいて教員を張り付けるというところまでいかないと,学位に基づく質保証は成り立たないのです。それが本当に大学の中でできるのかということが問題です。そこを改革できれば教学ガバナンスもしっかりしてきますし,外国の大学と対応できる態勢がなされてくるわけです。外国との学位プログラムの交換というのも可能になってくる。そこで初めて,先ほどから言っているようなルーブリックの問題とか,GPAの問題も評価されてきます。

今のようなカリキュラムのもとで幾らGPAをやっても,学士課程の評価をやってみても対外的には誰も評価してくれない。教員が個人の得意分野を断片的にやった教育がなぜ学位として認めるのかという話になってしまいます。各大学が目的にあった教育を組織的に学位プログラムを構築する,その辺のことを各大学の教員が真剣に考えなければならない,考えるそういう機会をどう与えていくかというのがここの役割だろうと思います。

したがって,ここに書かれている内容は非常に重要なことです。重要なことですが,その手法としてどのようにすべきか,ということを皆さんで議論をしていただきたい。そうしないといつまでたっても日本の大学が国際的に共通性を持ってこないし,また,グローバル化にも対応できないと,そういうことになってくる恐れがあります。

私の大学なども,今,いろいろなことで外国との評価のやりとりをやっていますけども,一番言われるのはグローバル化に対応できていないということです。このプログラムはどういう組織で作られましたかというようなことが大前提になってきます。このプログラムによって評価したときに,この学生の成績というのはどこで付けていますかと,教員個人が単位を与えるのではいけないとなるのです。それは単位として認められない,組織的に認められた単位でないとだめだと言われています。そういうことになってきますので,是非ともこれは真剣にここでやっていかないと,また同じ繰り返しになって,改革が進まないということになります。大学教育を個人プレーから組織プレーに変更するためには,学校教育法や大学設置基準の一部改正が必要になるでしょう。

今,新設の大学よりも既存の大学の中身をどうするかということの方が重要です。既存の大学の中身が変わってくれば,新設するところもそれに従ってくるわけですから,まず既存の大学をどう変えていくのかという,その辺に力点を置いてここらの改革を是非やっていただきたいと思います。

【高橋委員】  失礼します。この4月から国立大学から私立大学に変わりまして,いろいろなことを学ばせていただいているところです。これまで学士課程教育をプログラムとして実施するということは,以前から言われていて,どこの大学でも取り組んでいると思っていたわけなのです。しかし,今までの御意見を伺っていると,システムを形だけ示すということが,どれほどの効果があったのかという反省もしないといけないと思います。

シラバスを作るといえばシラバスは作った,学士課程教育を全体で教員が共有して,そしてFD,SDをして,改善のプロセスを毎年毎年繰り返してきて,そしてそれがどれほどの成果があったのか検証されていないことです。もう一つの視点は,学修者側の変化です。学生がどうのりしろを作ってきたのかということも明確にされていないという2点です。全体のプログラムの改善をプロセスとしてみることと,二つ目は,学修者がどう変わったかをプロセスとしてみることです。国立と違う集団の私立の学生を引き受けてみまして,学生をどう教育していくのかを大学教員と共有するというのは,大学によって随分違うということは実感しました。そのことを教職員,そして学生もともに自覚していく,そういうプロセスをしっかりやっていただきたい。小さな細かな項目ではなく,大学自体がどうダイナミックに変われるのかという視点で御検討いただければと考えました。

【安部委員】  初めて参加させていただいておりますが,この二つの検討課題,まず2番目の設置基準の改善等につきまして思いますのは,いわゆる大学とは何かというその体裁とか,品位とか,そういうものをどう整えていくかという,その性善説が通るようにというような御指摘もありましたけれども,そういうことがこの検討課題の本質ではないかと感じております。

それから,この1番目の認証評価制度の取り巻くような大学教育の質的転換の質保証の在り方についてですけれども,これは企業等とのニーズ,あるいはグローバル化の中で,どうその大学教育の機動力を高めていくかというようなことで,それは大学は短期大学を含めますと1,000以上の学校があるわけですけれども,本当に私ども短期大学は,先ほどどなたかの委員が言われたかもしれませんが,多様な学生を受け入れています。その中でどのように短期大学としての質を一定程度保証した卒業生を出していくかというようなことについては,多様な認証評価制度とか,あるいは,たくさんの短期大学が一つになりましてコンソーシアムを作りまして,教学,IRシステム等を作っていくというような試み等を小さいながらも機動力を発進,発揮しながらやっていこうというIRシステムもございます。そのためにはどういう評価制度があればいいのかということについて,この会で検討をさせていただければと思っております。

以上です。

【長谷山委員】  伺っていまして,これまでの流れとか学習させていただいて,読んでまいりました。今,やはり一番大もとのところでこのグローバル化の時代ですから,世界に通用する人材を育成しようという,日本全体でそういう動きになっていると思います。私もそのとおりだと思います。やはり確認しておかなければならないのは,グローバル化というのは結局,共通のルールによる標準化といいますか,平準化の波ということだと思いますので,どのように世界標準に適合させていくかという,これはもちろん重要なことだと思います。

しかし一方では,その均質化,平準化が進みますから,当然個性がないと生き残れない。したがって,その共通の標準にどう適合させるかということと,個性をどう持つかということが大学の使命になると考えています。そのときに,やはり大もとで大学人は,大学にとっての教育とは何かという根本のところをそれぞれの教員がどう捉えるかということだと思いますけれども,私はやはり慶應義塾に務めておりまして,慶應育ちですから,教育というのは結局発育だという,それが非常に重要だと思っております。

要するに型にはめるのではなくて,どのようにそれぞれの人材を伸ばしていくかということが教育だということです。そういうことから見ますと,基準を作るというときに,先ほども御指摘がありましたけれども,細かくきっちりと作ってその基準どおりの型にはめていくということでは,これは個性のあるイノベーションが可能な人材はできない。

今,求められている独創的な思考力ですとか,コミュニケーション能力,あるいは現場で言われている社会性の涵養ということもできないわけで,基準を作りながらも,その基準をむしろ飛び出して自由に教育ができる,学修ができるという方向で基準は考えられるべきだろうと思っております。

それからもう一つは,やはり基準を作るときに,教育の現場でどういう声が起きているのかということを絶えずくみ上げていく必要があるのではないかと思います。先ほど単位の問題が出ましたけれども,この4月から各授業科目の期間について,教育上必要があり十分な教育効果が認められる場合には,15週よりも短い週で構わないという形になったと思います。それをどのようにとるかですが,これまでやはり単位の問題とか週の問題というのは,講義科目ですので,その教室での授業ということが大前提になっていたように思います。そして,それ以外の演習科目等については,少し違った形も構わないということです。

しかし,今の流れの中では,教室で書物を読むだけの学修ではだめです。それでは世界では通用しないという流れになっているわけですから,その教室での講義を15週あるいは45時間という形で縛っても,これはもう無理があるのではないかということです。もし,それを確実に予習,復習も含めて,現在の卒業単位数等のもとでやれば,物理的に学生はもう勉強できないと思います。そういう実態に合わせる,それから,現在の理念的な方向に合わせた地に足の付いた改革というものを進めていく必要があるのではないか。それにはやはり現場の声を取り上げるということで,何よりも学生が,どの大学も学生の生活の実態調査というのはしていると思いますので,そうしたものを吸い上げるということが必要だろうと思います。

それに関連してですけれども,その教室内の授業ということで,能動的な課外活動,その他の重要性というのは指摘されていますけれども,伝統的な成果と課外という,課外はサークル活動だと,そういうイメージではなくて,授業の一環としての課外,これまでも課外教育という言い方はされてきましたけれども,むしろ教室外での成果教育,成果授業単位になるような授業形態というものをもっと積極的に取り入れて,それらを含めた学修時間という考え方をする必要があるのではないかと思います。

これはもともと設置基準に,教室内での授業を行うと,それをサテライト・キャンパス的に考えていますけれども,文面を読めば,要は教室内で行う授業というように今の基準でも書かれているわけですから,そうしたことで多様なグローバル化に対応した授業形態を考えていくということが可能ではないかと思っております。

今日は私もいろいろな思いを持ってお話を頂戴してまいりまして,これまでの流れはよく理解していませんので,少しずれたことを申し上げているかもしれませんけれども,一言述べよということですので,雑駁ですけれども,日頃考えていることの中から申し上げました。

【金子委員】  先ほど黒田副部会長のお話で,今回は何か踏み出すところが必要だというところですが,どういうところで踏み出せるかというところは,非常に大きな問題だと思うのですけれども,私はしつこいようですが,情報公開だけはとにかくやるといったことですから,これをやらないようだと先には進めないだろうと思います。

ただ,もう一つ,これも黒田副部会長がおっしゃったことですけど,今まで何となく日本の大学教育の問題は,これまで10年間ぐらい大学が余っていて,学生が多過ぎるので,学生を集められない大学が出ている。その問題と質の問題が同じであるかのごとくそういう印象が与えられてきたと思います。でも,実際にその学士課程のイノベーションがどこで起こっているかというと,いわゆる世間的には中堅とかその下あたりのところで思い切ったことが行われているわけで,私はむしろそういうところに注目すべきだと思いますのと同時に,むしろ問題は大規模大学の大規模学部,これは日本の大学のマスの部分をなしているわけですが,そういうところが特に専門的なディシプリン別にできていて縦割りが厳しいので,中でイノベーションを起こしにくいという構造がやはりどうしても大きな足かせになっていると思います。

これは組織運営部会でも議論すべきことでありますけれども,そういう意味で少し具体的にどういうところでどういうイノベーションが問題なのか,どういう意味で質が問題なのかということを考えていくというところから,何か新しい次のステップが始まるのではないかと思います。

以上です。

【佐々木部会長】  いろいろと御意見をありがとうございました。この課題については,毎回御意見を頂いて議論を重ねていきたいと思います。何よりも黒田副部会長がおっしゃったように,何か踏み出す課題をその中でしっかり見つけていきたいと思います。

また,本日の議論に関わって更に御意見等がありましたら,事務局へメールなどで是非お伝えいただきたいと思います。

(6)文部科学省から,「職業実践専門課程(仮称)」及び「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進」について,資料8及び9に基づき説明があり,その後,意見交換が行われた。

【圓入専修学校教育振興室長】  それでは,生涯学習政策局から御説明させていただきたいと思います。

お手元の資料で資料8と9がございますが,机上に冊子をお配りさせていただいておりまして,こちらの「専修学校における学校評価のガイドライン」というのを御覧いただきながら説明させていただきたいと思います。

本日,御報告事項といたしましては,最近の専門学校に関わる検討状況と,それから,職業教育に関する取組,二つのことについて御報告をさせていただければと思います。

まず一つ目でございますが,こちらのガイドラインを御覧いただければと思います。専修学校につきましては,平成23年度の中教審キャリア教育・職業教育の答申におきましても,質の保証といったところに大きく課題があるという御指摘をいただいておりました。その後でございますが,こちらの71ページを御覧いただければと思いますが,専修学校の質の保証,向上に関する調査・研究協力者会議というものを設置させていただいておりまして,こちらで1年間かけてその質保証向上に資するための,まずは学校評価のガイドラインというものをおまとめいただいているところでございます。

8ページ,9ページを御覧いただきますと,専修学校の,特にこれは高等課程,専門課程がございますけれども,こちらの学校評価に関する仕組みを記載させていただいております。もともと学校評価につきましては,小学校から高校の制度を学校教育法に準用しておりまして,その中での専門学校の評価をどうあるべきかという御議論を頂いたものでございますけれども,まずはその高校の制度を準用いたしますと,自己評価につきましては,平成19年のときに義務化されておりまして,その次に,学校関係者評価というものがございまして,9ページの,ピンク色で囲んでありますところを御覧いただければと思います。こちらは努力義務ということでの評価の仕組みでございまして,あくまで自己評価が適切にできているかどうかということをベースに学校の関係者による点検を行っていただくという仕組みでございます。専修学校につきましては,職業教育を主として行っておりますので,その学校関係者の中に卒業生,企業,例えば福祉施設,業界団体,接続のある中学校や高校,自治体といったような方々を,ステークホルダーとして御参画をいただきまして,自己評価について点検をしていただくということです。場合によっては,その学校教育の内容,運営につきましてもアドバイスをいただいて,専修学校の自己評価の中のPDCAサイクルに活用させて,生かしていただくというようなことがこのガイドラインには記載されております。

なお,第三者評価につきましては,これは任意ということで,今,NPOが第三者評価の仕組みをつくりまして,中には完全にこの学校関係者と区別した第三者評価を行っているという学校もございます。

それから,質保証につきましては,もう一つ重要なテーマといたしまして,情報提供という取組をこのガイドラインにも作らせていただきました。68ページから69ページを御覧いただければと思います。専修学校の生徒につきましては,専門学校でございますけれども,大学と異なりまして,こちらの情報提供につきましても,小学校から高校の制度を準用しているという形になっております。

ただ,専門学校の役割を考えますと,今,学校教育法で求められている以上のことを積極的に情報公開して,質保証に努めるということをこの会議の中でもいただきまして,67ページから69ページに,これは義務ではないのですが,望まれる情報提供,情報公開といったような項目を挙げさせていただいております。

学校教育の活動に関わること,キャリア教育・職業教育の中身だけではなくて,例えば学生支援,学生納付金,就学の支援の状況,学校の財務の状況というようなことが挙がっておりまして,特に,例えば中退の問題なども専門学校については,大きく課題になっておりますので,例えば中退率者という数字だけではなくて,中退,その防止をするためにどのような取組を努力しているかというようなことも積極的に提供してはどうかというようなことも挙げさせていただいているところでございます。

こういったその取組につきまして,この3月におまとめいただきましたので,今年度につきましては,全国的にシンポジウムや研修会といったものを開催しつつございます。また,このガイドラインにも御提言いただいておりますが,実際の専門学校の設置認可,指導監督という立場におきましては,これは都道府県になっておりまして,そういう意味合いでは,これは義務ではないのですが,この学校評価のガイドラインを活用した自治体にも御協力をいただくというモデル事業というものも今年度から開始するということになっておりまして,2か所しかないのですけれども,学校以外に経済団体,自治体の方々も入っていただくような,学校関係者評価のモデル事業というものを今年度実施させていただくということになってございます。

それに加えまして,続きまして職業実践専門課程の今回の議題に挙げさせていただいておりますものを御報告したいと思います。

資料8を御覧いただければと思います。この経緯でございますが,1ページ目を御覧いただきたいと思いますけれども,平成23年1月のキャリア教育・職業教育の在り方についてという答申で御指摘いただきました,職業実践的な教育のための新たな枠組みという御提言の中には二つのことが御指摘いただいておりまして,今後の検討課題ということで新たな学校種の制度を創設するという方策とともに,既存の高等教育機関によって新たな枠組みの趣旨を生かしていく方策も検討することが望まれるということが指摘いただいております。

その後でございますが,こちらは専修学校の中で議論を少し続けさせていただきまして,例えば専修学校の実態調査ですとか,諸外国の職業教育機関の調査などを1年ぐらいかけて行いまして,その上で,先ほど御紹介いたしました質保証に関する調査研究協力者会議の中で検討を行っていただいたものでございます。

この7月におまとめいただいた内容を御紹介いたしますので,真ん中の囲みの部分を御覧いただければと思います。専修学校そのものの目的自体は,学校教育法の中で職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し,または教養の向上を図るということで,教育を行うものでございますけれども,特にこの職業実践専門課程につきましては,答申の指摘を踏まえまして,新たなイメージの社会的な認知を図るためにも,企業や業界団体等との密接な連携を通じまして,より実践的な職業教育の質の確保に組織的に取り組む専修学校の専門課程を,文部科学大臣が職業実践専門課程ということで認定をして奨励させていただくという形をまとめさせていただいております。

その具体的な中身は,下の方を御覧いただければと思いますけれども,認定基準のイメージというものを書かせていただいております。最初の丸でございますが,企業,団体等と密接かつ組織的連携体制を確保して,例えば授業科目の見直しなど,教育課程を編成するという活動をしていること。それから,演習・実習等も連携しながら行っていること。続きまして,新しい知識や技術を身に付けていくためにも,教員の先生方の研修もきちんと組織的に位置付けられている,若しくは外部の,専修学校につきましては専任の方が2分の1以上という規定になっておりまして,外部の方におこしいただいて新しいものを教えていただくというスタイルがございますけれども,そういった方々には,やはり教育の指導力ということでの研修が必要ではないかという御指摘がございますので,そういった組織的な研修機会を設けているかどうかということも基準にして設けております。

さらに,企業や業界団体を参画いただいた先ほど御紹介いたしました学校関係者評価,それから,情報公開を積極的に行っているかどうかと,こういったその条件を全て満たしている専門学校,専門課程につきまして,これはグットプラクティスということで認定をさせていただいて,奨励させていただくという仕組みとなっております。

なお,先ほど申し上げましたように,専門学校につきましては指導監督上,都道府県でございますので,都道府県知事等から推薦を文部科学大臣にいただくという形をとらせていただいております。

次のページ以降は,ヒアリングを私どもさせていただきまして,実際のその基準の先行的なイメージとなる学校の例を参考までに添付させていただいております。

例えば企業と業界団体と協力課程編成委員会というカリキュラム見直しを毎年行うような組織を設けて,新たな知識や技術をカリキュラムに反映していくという例でございますとか,次のページをお開きいただきますと,企業や業界団体さん等との連携による演習や実習の例というものを,ルールを設定して透明性を高めて行っているような例を掲載しております。

さらに,次のページをおめくりいただきますと,教職員の方々の研修機会を設けている例,それから,学校関係者評価の中での仕組みの例ということで,これを専修学校の現行制度の中での仕組みではございますけれども,実践的な職業教育の質の保証,向上を図るような取組として進めさせていただければということです。

なお,報告書は本日お配りしておりませんが,協力者会議の中では,更に検討する課題といたしまして,職業教育の中で必要な知識・技術を可視化するという意味では,最近,アジアの諸外国等の動向というものでいきますと,様々な動きがございますので,そのようなものもにらみながら,引き続き検討していく必要があるというような御指摘を頂いております。また,この仕組みにつきましては,近々といいますか,数年,あまり間を置かない形で検証作業を文部科学省の方でもさせていただきまして,よりその課題となるようなことにつきましては,見直しをさせていただければというような内容になっております。

以上が,職業実践専門課程の御説明でございまして,本日はもう一つ,御報告といたしまして,資料9を御覧いただければと思います。こちらにつきましては,専門学校の話ではなくて,大学,短期大学,専修学校,高等学校ということでの最近の取組についての御報告でございます。

成長分野等における中核的専門人材養成ということでございまして,我が国の特に中間層,日本を支えるような中間層を産業界等との方々と一緒に育成を図っていくというような事業でございまして,平成23年度から,特に専修学校を中心に行ってきたものでございますけれども,平成25年度から大学,短期大学の方にも御参加を頂くという事業で拡大を図りまして始めたものでございます。

特に,企業人や離職者等の,社会人の学び直しの機会を充実するということです。それから,新たな知識・技術を身に付けるためのモデルカリキュラムや評価指標などを作成するということで,後段のような体制を作りまして,文部科学省の中で基本方針なるものを有識者の方々におまとめいただきながら,また,厚生労働省,農林水産省,経済産業省,観光庁など,オブザーバーにも参加を頂いて,他省庁からも御参画をいただきながら事業を進めさせていただくというものでございます。

次のページを御覧いただきますと,後段の方に,産業界と教育界の対話と協働によるオーダーメード型の実践的職業教育という形をとらせていただいておりますけれども,どのような人材が必要かという,人材についても議論をしていただくときに必ず業界のニーズの調査,分析といったものも産業界の方と一緒に始めていただきまして,目標設定の共有からモデルカリキュラムの基準を作るときにも一緒に協働作業をしていただくという形を取らせていただいております。

初めに平成23年から始めたところの中では,この円の中の業界団体の中で,例えば一つ,短期のプログラムを社会人向けに履修証明化をしながら,実証事業を行うというのが今年度予定しておりまして,来年度以降になりましたら,地域に付いた社会人の学び直しの教育プログラムというものを拡充していくというようなことを今,想定をしております。

次のページをおめくりいただきますと,今年度分の採択の事業の一覧というものを添付させていただいております。今年につきましては,大学,短期大学の皆様方が中心になるようなプログラムというものを御申請いただきまして,採択をさせていただいているというものでございまして,私どもの生涯学習政策局だけではなくて,高等教育局の方でも事務局を設けていただきまして,連名の事業ということでスタートさせていただいたものでございます。御参考までにということで御報告させていただきました。以上でございます。

【濱名委員】  専門学校の在り方というのは,資料8の後ろから2枚目のところに整理されている,非大学型高等教育機関であるという位置付けで,短大,高専,専門学校と同等に位置付けてやっておられて,そういう点では,質保証に対する取組は遅きに失したという状態から恐らく大学型教育機関と比べると10年ぐらいもうラグがある状態だと思うのですが,それでも進めていただくのは黒田副部会長の御苦労も含めて大変結構なことだと思うのですが,この後の方向がよくわかりません。

というのは,今日のこのガイドラインの資料で9ページを見ると,これが今後の方向性として第三者評価システムの構築を推進とか,第三者評価体制の整備と書いていらっしゃるのですが,お話を聞いていると,個別学校が業界等の意見を聞くというように,評価の具体的なプランで見ても,その業界の人たちを入れて評価をするとなっています。この方式はもう既に大学部門でなされていて,そういう方々を集めてきてやる形ではうまくできないということは,もう既に実証されていると思うのです。ですから,認証評価であるとか,あるいは今日浦野委員から御指摘があったように,もっと産業界を交えて,多面的な評価をしていかなければいけない。学校が主体となってその業界関係者をピックアップしての評価というお話と,この目指しておられる方向性,例えば認証評価の仕組みをこれから目指していこうというお考えがあるのか,あるいは専門学校の場合は8分野か9分野か,分野に分かれているので,その分野ごとに,大学があまり得意でない分野別の質保証とかの仕組みをこういう体制とお書きになるとすれば,どういった方向性を志向しておられるのか,あるいはそういうことが検討されているのかがよくわかるのですが。後者であるとするならば,大学にとっても非常に大きな刺激にはなると思うのですが,今のままですと,どういう意味でここで言われている今後の第三者評価体制ということを考えているのかよく分からなかったので,少し教えていただければと思います。

【圓入専修学校教育振興室長】  こちらの会議の中でも,第三者評価に対する御議論がいろいろございました。ただ,専修学校は,今,2,800ほどありまして,特に規模が100人から200人という,本当に小規模な状況でございます。ただ,その中でもものすごく大きな大学並の規模である専門学校として進めた,先進的な取組をやっておられるところと,本当に50人単位の専門学校で地元密着型でやっていらっしゃるものがあります。

そういう中で,一度に現行制度の中で,第三者評価まで進めることがかなり難しいという側面があるということで,今回の専修学校における学校評価のガイドラインの中では,まずは,今の現行制度の中のあまり進んでいない自己評価や学校関係者評価をしっかりやるということでのおまとめをいただいております。

ただ,職業実践専門課程の御議論を頂いたときに,まさに今濱名委員から御指摘を頂いたたように,例えばもう少し大きく業界の中でのステークホルダーとしての評価,視点というものがやはりないと,なかなかレベルアップしていかないのではないかという御意見もございました。正直申し上げますと,分野別若しくは業界ごとの方々にももう少し大きく全国的なお立場で,もしくは中規模でもいいので御参画いただいて,評価に加わっていただくということは,試みとしては進めていきたいというところがございましたけれども,現時点では,なかなか,ではどのような産業界の方々と専門学校のグループとで評価を行うかということがおまとめさせていただくのは難しいという状況でございましたので,まずは,こちらの職業実践専門課程というものをスタートさせていただいて,その検証を通じて,今,濱名委員から御指摘を頂いたようなことを将来的には取り組ませていただければというような,報告書にはおまとめさせていただいているという現状ございます。

【濱名委員】  そういう方向で是非そうしていただきたいというのは,先ほどの発言で申し上げたとおり,大学がルールを守らないということがあります。例えば,大学入学者選抜要項の記述を無視する大学がたくさんあって,何のペナルティもない。ですが,比べてみると専門学校はそれよりも何か月も前から同じように18歳人口をリクルートするという仕組みがあったりするので,やはりその高等教育の全体のシステムの中で,担当局が違うからということではないでしょうけれども,是非そういう点での整合性のある高等教育システムにしていただくように,引き続き御努力をお願いしたいと思います。

【浦野委員】  意見,質問ではなくて,単なる感想ですけれども,一つはこの問題と同じようなことが,いわゆる昔の名前で言うと職業高等学校といいますか,専門高校の専攻科というか,そういうところにも同じ問題があると思っていまして,最終的には高大接続も含めた,高校の質保証みたいなところも絡んでくるのではないかというのが一つの印象です。

それから,もう一つはこれをいろいろ進めていくと,第二次世界大戦後の6・3・3・4制という単線型の学制に対して,第二次世界大戦以前の複線型,これは世界各国で見ると複線型をとっている国が多いと思いますけれども,そういう複線型の学制ということをにらんでいかないと,もう今は単線型ではどうも日本の教育全体かうまくいっていないという印象が私にはありまして,是非これを一つの突破口として,学制改革に至る議論にまでいっていただければと思います。感想です。

【黒田副部会長】  今のお話にありましたこの検討に,私,主査で務めさせてもらったのですが,ここに至るまで大変な議論がありました。これは全専修学校に係る問題です。今回の「職業実践専門課程(仮称)」という,これは文部科学省が認定するものですが,この認定基準を満たして申請してきた専修学校を認定しようということですから,これは専修学校にとっては大問題です。今,2,800,3,000近くある専修学校が差別化されることになるのです。

その中でなおかつ申請をしようという専修学校が全部,賛成していますので,よくここまで賛成したと私は内々思っているのですが,結局,今,言われたように高等教育の複線型を頭に置いて,当然にしてこの認定を受けた学校に対しては,きちんとした評価機関ができ上がってくると思うのです。

そこまで今,言ってしまうと先に進まないものですから,この辺の御報告で止めてあるのだろうと思うのです。そう私は思っているのですが,これはどうしても日本としてはやっていかなければならない,大学がどんどん職業学校化している中で,この専修学校というのが一つの職業学校として成り立ってきたけれども,体裁的には高等教育機関と言っていますけれども,高等教育の体をなしていないということがありますので,何とかこれを高等教育機関として位置付けられるようなところは,位置付けていこうということですから,私は第一歩,前に進んだという感じを受けています。

【佐々木部会長】  よろしいでしょうか。この件についてはまた議論の機会があることと思います。

【田中高等教育政策室長】  本日は活発な御議論を頂き,誠にありがとうございました。まず,先ほど佐々木部会長からも御指示がございましたように,本日は限られた時間の中での御議論でございましたので,後日,事務局からメールで改めて御連絡をさせていただきますが,質保証の在り方につきまして,会議の場以外で御意見がございます方は御意見を頂ければ,次回以降の部会運営の参考とさせていただきたいと思っております。

【佐々木部会長】  それでは,これをもって本日は閉会といたします。御協力ありがとうございました。

── 了 ──

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

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