県立大学の基本構想決まる 『長野日報』2013年6月25日付

『長野日報』2013年6月25日付

県立大学の基本構想決まる 

 阿部守一知事は24日、県短大(長野市)を改組し新設する県立大学の基本構想を決定した。「総合マネジメント学部」「健康発達学部」の2学部(3学科)構成で、文言など一部修正したが、有識者の設立準備委員会が19日に報告した構想案とほぼ同内容。大学の「骨格」(県立大学設立準備室)を固めたことで、県は今後、カリキュラムや教員採用、学長候補人選などの具体的な検討に入る考え。

 県庁で記者会見した阿部知事は、県内私大が競合する学部学科設置に反発している点に、「私大でできないところを県立大でやってほしいというのが各私大の基本的な意見。今までの大学像とは一線を画した大学でなければ意味がない、という点は、実は(私と)私大とは同じ思い」とし、「志の高い大学像をしっかり堅持していくことが私大のご意見に応える道だ」と述べた。

 競合する松本大(松本市)が反対する管理栄養士養成課程(健康文化学科「食健康コース」)、諏訪東京理科大(茅野市)などと重なる経営系学部は、県立大の理念・教育目標に盛る「グローバルな視野を持ってイノベーションを創出できる人材」の明確化で「差別化、違いを出せる」と説明。具現化する方策には、英語力を問う入試選抜や、実践的な英語力を習得する教育内容を挙げた。

 昨年9月の素案に追加し、争点化した管理栄養士養成課程については、「単に資格を取るための課程ではない。それだったらつくる必要はないとはっきり思っている」とも強調した。

 併せて、県は、国の地(知)の拠点整備事業補助金(COC)の「県版COC」検討や、振興策を継続的に意見交換する仮称「県内私立大学・県連絡会議」設置といった県内高等教育振興策も提示。知事は「私大と県との信頼関係をしっかり構築し、県内高等教育全体の振興を責任を持って一緒に取り組むことが重要だ」と述べた。

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