『中国新聞』2013年2月14日付
広島大旧理学部を無償取得
広島市などが進める中区の広島大本部跡地(11・4ヘクタール)の再開発で市は13日、跡地内の被爆建物、旧理学部1号館とその敷地を、所有者の独立行政法人国立大学財務・経営センター(千葉市)から無償で取得する方針を正式に表明した。1号館の保存・活用方針を決めるための調査を2013年度に実施。将来は隣接する市東千田公園と一体化して開放する考えも明らかにした。
東千田公園は3・0ヘクタール。東に隣接するセンター所有の1号館と敷地0・6ヘクタールについて、市は3月末までに無償で譲り受ける方向で調整している。
市は13年度、老朽化した1号館の劣化状況を調査し、保存・活用策を検討する。具体的な保存・活用策の決定を踏まえ、1号館と敷地を東千田公園に組み込む想定でいる。
センターは現在、1号館の敷地を柵で囲い人の立ち入りを禁止している。敷地では07年、土壌汚染対策法の基準値を超える鉛や水銀など有害物質が検出された。市は公園として開放する際、盛り土や芝生を植えるなどして現在の表土の飛散を抑えるとしている。