放射光施設、東北7国立大誘致 宮城・丸森町が候補地名乗り『河北新報』2013年1月30日付

『河北新報』2013年1月30日付

放射光施設、東北7国立大誘致 宮城・丸森町が候補地名乗り

 東北の7国立大が連携し東北誘致を進める大型放射光施設の建設地に、宮城県丸森町が名乗りを上げた。町は29日、専門家を町内に招いて講演会を開催。今後、大学側への働き掛けのほか、町民への浸透を図るなどし誘致活動を本格化させる。

 7大学の学長らで構成する「東北放射光施設推進会議」の事務局を務める早稲田嘉夫東北大名誉教授は29日、町内の講演会で「産業利用ニーズは多い。丸森に建設されれば町の未来を切り開く施設になる」と述べた。

 大型放射光施設は光速近くまで加速させた電子を磁場の力で曲げた際に出る放射光を使い、物質の構造を解析する装置。生命科学や医療など幅広い分野で利用される。

 弘前、岩手、東北、宮城教育、秋田、山形、福島の7大学が誘致に乗り出し、推進会議が昨年8月、文部科学省に設置を要望した。

 建設が国に認められた段階で正式に候補地を募るが、丸森町はいち早く動き始めた。建設地として町北部にある舘矢間地区の町有地47ヘクタールを用意。既に地盤調査も実施した。関連企業の進出も見込めることから、仙南地域の近隣自治体と連携し誘致活動を展開したい考えだ。

 7大学が新設を目指す施設はリング型で周の長さ約300メートル、直径約100メートル。県内に建設された場合、10年間で約3200億円の経済効果が見込めるとの試算もある。

 関係者によると、現時点で丸森町以外に、県内を含む東北の複数の自治体が関心を示しているという。

 保科郷雄町長は「誘致できれば、町の過疎化に歯止めをかけられると期待している。町民とともに放射光への理解を深めながら進めたい」と話している。

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