東京外語大 改編の意義 MSN産経ニュース配信記事2012年11月21日付

MSN産経ニュース配信記事2012年11月21日付

東京外語大 改編の意義

4月から「言語文化」「国際社会」2学部体制

 東京外語大学は伝統の外国語学部を改編し、この4月から言語文化学部、国際社会学部の2学部体制となった。これを記念する講演会が10月16日、東京都府中市の大学ホールで開かれ、亀山郁夫学長や2学部長が新たなスタートの意義を語った。

 亀山学長は、改編の背景について、(1)国立大学としてのミッション(使命)の再提起(2)「外国語学」の将来性に対する強い危機感(3)「多言語・多文化」に立脚した新しいカリキュラム構築の必要性(4)大胆な教育改革を進める公私立大学の台頭-をあげ、大学の個性・役割を鮮明にし、存在感を高める狙いであることを強調した。

 改編で、わが国屈指の「地域研究拠点」を目指し、対象地域としてアフリカ、オセアニア、中央アジアの3地域を加えたこと。新たな地域言語として南アジア地域にベンガル語を加えたこと。「世界教養」の理念のもと、言語・地域・教養を有機的に組み合わせ、グローカリズム(グローバル+ローカル)教育を徹底する方針を明らかにした。

 岩崎稔・国際社会学部長は「東アジア情勢は、少し前には想像できないほど厳しい。グローバル化という言葉が、なにか明るい未来を示唆したころが懐かしい。(国際舞台で)相手の世界観、言語・文化をしっかり勉強して、社会の役に立つ存在になりたい。そのためには『外国語学部』という殻が窮屈になっていた。本学が果たしている役割の大きさにふさわしい姿に脱皮する改革だ」と述べた。

 川口裕司・言語文化学部長は「文部科学省の示した国立大の役割の一つに『需要は必ずしも多くないが重要な学問分野の継承・発展』がある。本学の役割は文科省も認めている。多言語・多文化の世界をバランスよく知るうえで重要な存在になっており、胸を張って前進したい」と力説した。

 このあと東京工業大学大学院教授、橋爪大三郎教授が「教養の未来」と題して記念講演した。

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