『中国新聞』2012年10月23日付
秋入学16年度に導入 広島大
広島大は22日、大学運営の方針をまとめた行動計画を発表した。学生の秋入学制度を2016年度に総合科学部で先行導入する。秋入学は海外留学がしやすくなる利点があり、浅原利正学長は「国際社会で活躍する人材を育てる大学を目指す」と説明している。
総合科学部に、秋入学の日本人、留学生各15人を受け入れ、国際的な教養を身に付けさせるコースを新設。授業は英語で行う。15年11月に入学試験を行い、16年10月から入学させる。
行動計画ではほかに、入学試験のあり方も見直す。学力試験を課さないアドミッション・オフィス(AO)入試では、英語能力試験の「TOEIC」や「TOEFL」なども合否判定の材料の一つにする。
学長室によると、大学入試センター試験の結果は、得点通りの評価をやめ、100点刻みぐらいでグループ化して評価する「段階評定」に変更。論文や面接、クラブをはじめとする課外活動の実績なども評価に反映しやすくするという。いずれも実現の時期は未定。
東千田キャンパス(広島市中区)への知的人材育成センターの建設、全学生にTOEICで一定程度の成績取得を求める卒業要件化の検討、職員宿舎の一部廃止などによる財務改善、大学院の充実なども盛り込んだ。
霞キャンパス(南区)で記者会見した浅原学長は「グローバル化の中、大学の存在意義が問われている。できることから速やかに着手したい」と話した。