大学の研究成果を中小企業へ橋渡し『京都新聞』2012年10月17日付

『京都新聞』2012年10月17日付

大学の研究成果を中小企業へ橋渡し

 京都企業のOBらでつくる京都シニアベンチャークラブ連合会(京都市下京区、KSVU)は、大学の研究成果を中小企業へ橋渡しすることを目的にした技術シーズ集の作成を進めている。昨年度は京都工芸繊維大の50テーマをまとめ、冊子とネットで発信した。本年度は工繊大に加え、京都大のシーズも集めてアピールしていく。

 KSVUは京都の製造業OBらの人材活用組織として1999年に発足。現在は堀場製作所やワコールなどのOB組織を含む9団体が連合を組み、計約370人が加入している。技術シーズ集は京都市が京都高度技術研究所に委託した事業を、KSVUが受託して昨年度から3カ年計画で進めている。

 高度で複雑な大学の研究成果を分かりやすく中小企業に伝えようと、現場経験が長いメンバーが工繊大の研究室を訪れて研究者に取材した。キャッチフレーズや実用が見込める用途、特許や参考資料の引用先などを、1テーマに付きA4判2ページにまとめた。

 木村照夫教授による竹や廃棄衣料、野菜など繊維材料の有効利用がテーマの研究は、機能性を高めた紙や板状にする技術で、食べられる野菜シートなどへの活用を紹介。「工業部品キャップ類の一発成形」といった高倉章雄教授と飯塚高志准教授の金属加工技術も図解して説明している。

 本年度事業として、9月に工繊大の新たな70テーマの取材を始めた。今後、京大の20テーマを選び、第2号の技術シーズ集を発表する予定。

 KSVUの船越健事務局長は「大学の技術が何に使えるかに絞ってまとめているので、中小企業が新製品を開発する際のヒントにしてもらいたい」と話す。問い合わせはKSVUTEL075(315)6639。

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