高井美穂文部科学副大臣記者会見録(平成24年9月13日)

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高井美穂文部科学副大臣記者会見録(平成24年9月13日)

平成24年9月13日(木曜日)

キーワード
千葉大学の視察、「新司法試験の合格発表と法科大学院、予備試験」、児童生徒の問題行動等調査、国際人権規約、教育委員会制度、東京都教委のいじめ調査

高井美穂文部科学副大臣記者会見テキスト版

副大臣)
 1点、私は昨日千葉大学の方に視察にまいりました。アカデミック・リンク・センターというのの視察を致しまして、主体的な学生を支える図書館を充実しようという、その学生達の共同作業というか、共同学習の場をより使いやすいもの、開かれたものにしようという取組で、改めてすごく素晴らしい図書館を就学支援環境といいますか、そういうものを作っていたので、見てきましたが、なかなか素晴らしいものでした。

 あとそれに加えて、医療人材育成の取組で特に頑張っているので、専門職連携教育(Inter Professional Education)と言うようなんですが、IPEプログラムというのを実施をしておるということで、その話を聞いてまいりました。つまり医学部と、千葉大学は看護学部、全国の国立大学で唯一看護学部があるというところですけれど、薬学部と、この3つの学部が並列で連携をしてチーム医療というもののいろんなシミュレーションから始まり、普段の連携、それからいろんな切磋琢磨をしているというプログラムをいろいろお話を聞き、また拝見をさせていただき、大変いい取組だなと思いまして、見てまいりました。

 工学部の方も拝見させてもらいまして、医工学といいますか、分野を超えて新しい医療機器などを研究開発をしたり、フロンティアメディカル工学研究開発センターというものがありまして、そこも見せてもらいました。それから新生児の特定集中治療室(NICU)というところ、小児科病棟等も見せてもらいました。それに加えて、飛び級の話、飛び入学の話を全国に先駆けて千葉大学やっているものですから、意見交換を少しお昼の時間にお聞きをしたりさせてもらいまして、やっぱり高校と大学が密に連携協力しながら、学びの質をどうしっかり保証していくか、高めていくかということが重要であるというふうに思いました。

 改めていろんな課題や、それにおけるどういうふうに推進していくべきなのか、何が課題としてあるのか、そういうこともいろいろ具体的にいろいろお聞きをすることができまして、これからも、各大学にミッションの再定義もお願いしているわけでありますので、改めて教育改革とか機能強化の取組の支援に対して、我々も現場の声を聞きながら努めていきたいというふうに思っているところです。私の方からは以上です。

記者)
 2つ質問させていただきます。まず1点目なんですが、一昨日、新司法試験の合格者が発表されまして、合格者数が2,012人と過去最多だったと。ただ合格率については24パーセント台にとどまって、当初の新司法試験始まってからの構想である7割から8割とは大きな隔たりがあったという現状がありましたけど、一方で、今回から動き始めた予備試験の受験者たちはおよそ7割ぐらい合格しているという、法科大学院に行かなくても合格率が高いというような状況が出てきたわけでありますけれど、その点に対する受け止めと今後の対策についてどのようにお考えでしょうか。

副大臣)
 御指摘のとおり、合格状況を見ますと、昨年よりも1.6ポイント上昇したとはいえ、まだいろいろと合格率が厳しい、低いところ、合格者が極めて少ないところ等も法科大学院は出てきておりまして、依然として難しい、厳しい状況が続いているという認識です。実行プランも出しましたけれど、改めて更なる教育の改善・充実については、こうした法科大学院教育改善実行プランというものに基づいてしっかり取り組んでいこうと思っています。

 公的支援の見直しから、その改善策の実施、また個別のいろんな相談等に関しましては、今も随時やっているところでありますが、予備試験の件は、本年度初めて予備試験を経て司法試験に合格したという方が出てきたということであります。この予備試験の合格者の合格率がいずれの法科大学院の修了生と比較しても一番高いという結果でありますけれど、これはしっかり分析をしなくてはいけないというふうに思っています。

 今回その司法試験の合格率が振るわないと言われた、その未修者に対する教育の充実とか、法科大学院の教育自体の更なる改善・充実はもちろん当然のごとく進めていくわけでありますが、予備試験がそもそも経済的な事情とかその他の事情によって法科大学院に行けないという方々のために、ある種開かれた制度であるというふうに作ったものでありますが、この本来の趣旨に合った方が受けているのか、本来の趣旨を踏まえた上で運用がされているのかどうか、しっかりちょっと検証しなくてはならないというふうに改めて感じているところであります。

 つまり、今回、法科大学院の在学中の学生さんも受けているということもあったり、大学学部に在籍中の方が受けているということもありますので、そもそもその経済的事情によって行けない方であったり、何か他の事情でという方のためのものに本当になっているのかどうか、ちょっと属性の分析といいますか、受けた方々の背景分析をしっかりした上で、議論を重ねたいと思っています。

 いずれにしても、法曹養成制度関係、閣僚会議の下に、こないだから法曹養成制度検討会議というものが立ち上がりまして、今、議論を重ねている最中で、正にこの司法制度改革におけるそのプロセスとしての法曹養成の理念というものを改めて踏まえた上で、この予備試験の在り方を含めた法曹養成制度全体について、引き続き関係の方々と議論をしていかなければならないというふうに改めて思っているところです。

記者)
 その議論をした結果、今、その大学生であったり大学院生が受けているという現状があるようなんですが、実際に法科大学院卒業前、そういうところに在籍している人達に関しては、受けるのを禁止するというような方向も有り得るということですか。

副大臣)
 それも含めて今度検討会議でしっかり議論していかなければならないと思っています。党の方からも予備試験の枠をしっかり増やすようにというお話も提言として上げられましたけれど、そもそもやはり法曹養成制度が目指してきた、この一試験だけをくぐり抜けて、一部の試験的に優秀な方だけが法曹になるという制度から、やっぱりプロセスとしていろんな意味で経験やコミュニケーション能力や、多角的な視野とか、そういうものを培いながら、プロセスとして法曹家を育てようというものが趣旨でありましたから、ある種予備試験の穴を、予備試験で受けられる人を増やしていくということは、法曹養成課程にもそうした今までの議論の積み重ねをある種否定する方向になっていくようになってもいけませんし、法科大学院というものが、やっぱり卒業生の中にはすごくいい人材がどんどんこれから輩出されていくんではないかと思います。司法試験合格者の中で。だから、そうした社会に出て活躍するようになった法科大学院を経ての司法試験合格者で活躍している方々の意見や、また予備試験の在り方等はやっぱりちょっと多角的な視点からしっかり議論しなければならないと思いますので、まださっきおっしゃったような話は全く、それは今すぐどうこう言うふうに考えているわけではございません。

(中略)

 記者)
 先日、高等教育の無償化の方については国際人権規約で条項、留保撤回していますけど、実現に向けてどんなふうに文科省として取り組んでいくのかお考えをお願いします。

副大臣)
 よくぞ聞いてくれました。民主党政権の中でも一刻も早くやりたいと、一つの大きなマニフェスト事項でありましたけれど、今週の閣議で国際人権規約13条2(b)(c)が、やっと決定するという運びになりました。11日の閣議で決定ということになりましたので、改めてよかったと思っています。もちろんその背景には後期中等教育の無償化、税制的には無償化という面で、民主党がとった高校無償化就学支援金の措置、それから大学等の高等部分ではまだまだ家計負担が多いというのもOECDのデータにも上がっていますけれども、それでも授業料を減免して払わなくていい実質給付型の奨学金に近い制度の部分の予算措置を増やしていくとか、いろんな形で前向きにやってきたことにより、いよいよ外務省や政府としてこれを留保撤回に向けて動くことができるという判断を政府全体、内閣でしてもらったということですので、引き続きこの留保撤回を契機として、やっぱりこれからも高校の無償化、就学支援金制度、それから授業料減免とか所得連動の無利子奨学金制度もそうですが、充実に向けて、家計の負担をできるだけ軽くするような施策について教育費の負担軽減に向けて最大限努力していきたいと思っています。

(後略)

(了)

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