留年せずに海外留学 筑波大など単位認定緩和『日本経済新聞』2012年8月11日付

『日本経済新聞』2012年8月11日付

留年せずに海外留学 筑波大など単位認定緩和

 学生の海外留学が伸び悩む中、学生が留学しても留年せずに4年間で卒業できるよう有力大学が制度づくりに相次いで乗り出している。従来は交換留学の協定を結んだ大学だけに限定していた単位認定を、学生が選んだ私費留学先の大学にも拡大。留学しやすいカリキュラムの整備を急ぐ。

 筑波大は2013年度から、休学中に私費留学した先の大学で取った単位を卒業単位の半分まで組み入れることを認める。11年度に交換留学で派遣した学生は大学院生を含め68人。20年には留学1千人を目指し、うち400人程度は私費留学を見込んでいる。

 一橋大は14年度にも、私費留学先で取った単位の認定基準を緩和する。現在は同様の科目がある場合だけ単位を振り替えて認定しているが、授業内容が一定のレベルに達していれば「自由科目」として卒業単位に入れられるようにする。

 お茶の水女子大は、大学4年間のうち半年~1年の間、必修科目をなくしたり減らしたりして、留学しやすい「留学促進期間」を設ける検討を始めた。従来は必修科目が4年間にまんべんなく入っていて、留学すると留年の恐れがあった。期間の長さや時期は学部・学科ごとに決める。

 文部科学省によると、日本人学生の海外留学は09年時点で約5万9千人で、04年の約8万2千人から5年連続で減少している。

 協定校と学生を派遣し合う交換留学は学費や単位取得で優遇されるが、留学先の選択肢や派遣枠が限られる。休学して私費留学する場合、単位が認められず留年するケースが多く、学生の留学意欲をそぐ要因になっていると指摘されている。

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