岐阜大と鳥取大「共同獣医学科」 来年度設置、教育高度化『岐阜新聞』2012年7月24日付

『岐阜新聞』2012年7月24日付

岐阜大と鳥取大「共同獣医学科」 来年度設置、教育高度化

 岐阜大学応用生物科学部は、2013年度から鳥取大学農学部とともに共同獣医学科(6年制)を設置する。両大とも獣医学教育分野は1学年30人程度と小規模だが、研究施設や環境を有効活用し、高度な専門的教育を行うことで、複雑化する獣医療に対応した教育研究体制の構築を進める。

 共同学科の設置は、文部科学省の「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」が11年にとりまとめた提言に基づくもので、既に12年度から▽帯広畜産大と北大▽岩手大と東京農工大▽鹿児島大と山口大―の3組が共同学科を設置しており、岐阜大と鳥取大は4件目。

 両大は09年度から3年間、京都産業大学を加えて「獣医・動物医科学系教育コンソーシアム」を実施し、一部で連携を進めた下地がある。岐阜大は野生動物医学、鳥取大は鳥類疫病学など得意とする研究分野もあり、それらを相互補完して、教員がより専門性の高い講義、研究を行うことが可能となり、教育体制の充実にもつながる。教育内容は全国初の「獣医学教育開発推進センター(仮称)」を設け、カリキュラムの総合管理、開発を行う。

 学生はいずれかの大学に本籍を置くことになり、入学試験は本籍を置く大学に出願、受験する。入学後は両大学の在籍となり、同じカリキュラムで講義、実習を受ける。講義は両大学でそれぞれに同一内容で行うほか、双方向で通信ができる遠隔講義システムを用いたり、教員が移動して講義を行ったりもする。また実習内容によっては、相互に学生が移動して行うケースもある。学位記は両大学長連名で授与される。

 13年度の入学定員は65人で、うち岐阜大は30人(センター入試を課す推薦入試4人を含む)。現在の岐阜大の獣医学課程、鳥取大の獣医学科の募集は停止する。岐阜大応用生物科学部の金丸義敬学部長は「新しい段階に入りつつある獣医学教育をより充実させたい」と話している。来月9日に鳥取大で、岐阜大の森秀樹学長らが出席し、共同学科設置に向けた調印式がある。

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