山口大、医師派遣で地域支援『中国新聞』2012年5月31日付

『中国新聞』2012年5月31日付

山口大、医師派遣で地域支援

 山口大は6月1日から美祢市立病院(同市大嶺町)に初期診療室を設け、同大の医師3人を派遣する。医師は診療して地域医療を下支えするほか、派遣先で臨床研修医や学生を指導する業務も担う。

 大学側は臨床研修医や学生を育成する上で、高度医療に重点を置く大学病院と、初期診療の経験を積む市立病院の双方のメリットを生かすことが狙い。医師不足に直面する市立病院側と、思惑が一致した。

 山口大が派遣する医師は、学内公募に応じた内科2人、小児科1人。3人は大学での研究や診察も続けながら、それぞれ週に1・5日、同病院に設けた診療室で外来の初診患者を診察する。任期は1年。

 従来の医師派遣は、病院が医師の必要な診療科を指定して大学に依頼。大学が派遣した医師は病院の非常勤医師として勤め、大学の給与と病院の報酬を得ていた。

 今回は山口大が、文部科学省の補助金1200万円と美祢市から受ける医師確保対策費900万円をもとに、医師に給与を支給。医師は病院の報酬はなく、同大の給与のみを得る。

 30日、同病院で会見した山口大医学部付属病院の岡正朗病院長は「山口県内全体の医師確保に向け教育を充実するための取り組み。5年を一つの区切りに、効果を検証したい」、村田弘司市長は「病院は地域の宝だという認識を持ち、市民が安全安心に暮らせる環境を整えていきたい」と話した。

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