『福井新聞』2012年5月15日付
福井大4年連続就職率1位理由は 分析本発刊され話題に
高い就職率の秘密に迫った木村誠氏著書「福井大学はなぜ就職に強いのか」
国立大で4年連続就職率ナンバー1を誇る福井大学(福井県)の“秘密”に迫る著書「福井大学はなぜ就職に強いのか」が発刊され、全国の大学関係者の注目を集めている。
大学関係のルポを数多く手がける教育ジャーナリストの木村誠氏が執筆した。
民間情報会社の就職率調査によると、2007年度から10年度まで、複数学部を有する国立大で福井大は4年連続1位。また厚生労働省の10年調査で、入社3年目(07年度卒業)までの離職率は、全国の大卒平均で30%であるのに対し福井大は8%にとどまっている。
著者は「この定着率の高さこそ福井大の就職力を示すバロメーター」と指摘。地域や企業に根差した徹底的な現場主義の教育展開と、地方の中堅国立大の地元密着、少数の学生という特性を生かしたきめ細かい就職指導にあると分析する。
「福井方式」と言われる産学官連携の共同研究や、企業から参加希望が殺到する学内企業説明会など、高い就職率と低い離職率を生み出す同大の取り組みを分かりやすく解説している。
A5判、202ページ。税込み1680円。