『日本経済新聞』2012年2月28日付
公務員採用も「秋入学対応」 時期・回数見直し、政府会合で議論へ
政府は27日、東大などが検討している秋入学への対応などを協議する「グローバル人材育成推進会議」(議長・古川元久国家戦略相)の初会合を開いた。国家公務員の採用時期などに影響するため、法整備も含めた議論を進めて5月に結果をまとめ、6月に野田佳彦首相が議長を務める国家戦略会議に報告する段取りを決めた。
学校制度に関しては、大学院や各省が所管する防衛大学校などの学校の入学時期や移行期の教育研究体制のあり方、収支の取り扱いなどが課題となる。春入学と秋入学に分かれた場合を想定し、複数回受験や募集定員の取り扱いも議論する。
国家公務員の採用試験と各府省の採用活動では、実施時期の見直しを検討する。秋採用が増加した場合、現行の定年退職時期が3月末であることから、各府省では一時的な欠員への対応も必要となる。弁護士や医師など、国家資格試験の実施時期や回数も実務的に検討する。ギャップ期間中の学生の処遇を巡っては、活動の評価や国民年金保険料の学生納付特例の見直しなどが検討課題となる。
推進会議には古川戦略相のほかに外務、文部科学、厚生労働、経済産業の4閣僚と長浜博行官房副長官が出席した。大学秋入学に関する政府の基本的な姿勢として「まずは大学や産業界の自主的、自発的な議論を期待する」としつつ「環境整備が必要な課題の解決に向けて幅広に検討を開始する」との方針を確認した。
今後は関係省庁の政務三役らによる幹事会で具体的課題を詰め、5月に第2回会合を開いて検討結果を取りまとめる予定だ。