秋入学12校が慎重 京滋13大学アンケート『京都新聞』2012年2月1日付

『京都新聞』2012年2月1日付

秋入学12校が慎重 京滋13大学アンケート

 東京大が打ち出した学部の秋入学全面移行について、京都新聞社は31日までに京都と滋賀の国公私立大13校の総長・学長にアンケートを実施、うち12校が移行に慎重な姿勢であることが分かった。半数以上が移行の検討には前向きだが、経済負担や就職への影響などを懸念する意見が多く、困惑も広がっている。

■立命は賛成 8校「検討」

 アンケートは▽秋入学移行への賛否▽秋入学を検討しているか▽導入のメリットとデメリット▽留学生受け入れなど国際化の方向性-を聞いた。

 秋入学に賛成は立命館大のみで、川口清史総長は「グロバール化が加速し、日本の大学の国際化は急務。学生の一定割合を対象に秋入学が可能になることは望ましい」とした。

 他の12校は賛否を明確にしなかったが、滋賀大の佐和隆光学長は「小中高の学年歴を同時に秋入学に改めない限り『反対』」と、大学だけの移行には明確に反対した。滋賀医科大なども「秋入学導入には国全体のシステムを変えることが必要」とした。

 「検討している」「検討する」は8校。移行のメリットとしては「留学生の受け入れ」(8校)、「学生がギャップタームに多様な体験ができる」(3校)が多く、「新卒一括採用の慣行が変わる可能性がある」(同志社大)、「学期が長期休業で分断されない」(京都教育大)などの期待もあった。

 デメリットには6校が「保護者の経済負担の増加」を挙げ、他にも「就職活動に影響」(滋賀県立大)、「医師などの国家試験受験に影響」(京都府立医科大)、「(春入学の大学との兼ね合いで)クラブ活動に支障」(京都産業大)など懸念の声も多かった。

 京都大は「入学の時期、入学試験の在り方も含めて、今後検討する予定」との従来のコメントのみだが、部局長や若手研究者などさまざまなレベルでの検討会を設置する方針を固めている。

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