基礎研究医の養成が課題- 文科省課長 キャリアブレインニュース配信記事2012年1月25日付

キャリアブレインニュース配信記事2012年1月25日付

基礎研究医の養成が課題- 文科省課長

 文部科学省は24日、「国公私立大学医学部長・医学部附属病院長会議」を開き、全国の大学の医学部長らに2012年度予算案や関連事業などについて説明した。この中で同省高等教育局の村田善則医学教育課長は、基礎医学を担う研究医の養成が課題だとの認識を示した。同省は、基礎研究医の養成プログラムなどに取り組む大学を支援する新規事業を12年度予算案に盛り込んでいる。

 同省によると、1993年と2010年の医学系大学院の入学者数を比べると、全体では1700人以上増えているが、基礎系に進む医師免許を持つ人は逆に減っている=グラフ=。その結果、医学論文の本数が減っており、将来的には基礎医学の教員不足も懸念される。

 基礎研究医の確保をめぐっては、医学部を卒業して医師免許を取得すると、臨床研修により研究に2年間の空白期間が生まれることが課題になっている。このため新規事業では、▽医学部生に基礎研究への動機付け教育を行う▽臨床研修と大学院での研究を両立させ、空白期間をつくらない―など、医学生の研究マインドを大学院につなげる養成プログラムを行う大学を支援する。

 村田課長は会議で、事業の狙いを「当面は各大学でいろいろな取り組みをしていただき、その中からどういうやり方が考えられるか検討したい」と説明した。

 また、この新規事業では、参加型臨床実習の充実に取り組む大学も支援する。臨床実習について、時間の確保や内容の充実が課題になっているためで、例えば米カリフォルニア州などでは、72週以上の臨床実習が医師免許登録の要件になっているが、日本で72週以上の実習を行っているのは79大学中2大学しかないという。

 村田課長は「単なる見学ではなく、『参加型』の臨床実習が十分に行われているとは言えない状況」との認識を示した。

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