『山形新聞』2012年01月26日付

山形大「秋入学、どちらとも言えない」　35国立大が検討意向

　東大の懇談会が学部の春入学廃止と秋入学への全面移行を打ち出したのを受け、他の国立大81校のうち4割以上の35校が秋入学を検討する意向を持ってい ることが25日、共同通信の学長へのアンケートで分かった。早稲田大や慶応大、上智大、関西学院大、関西大、立命館大などの私立大も検討に前向きな姿勢を 示した。

　東大が協議を呼び掛けた北海道大や名古屋大など11校は、京大を除く10校が参加を表明。4月にも協議が始まる見通しとなった。

　ただ、就職や国家試験の時期などを課題に挙げた大学も多い。実現には国や経済界の協力が不可欠で、秋入学がどの程度広がるかは不透明だ。山形大は秋入学移行の賛否について「どちらとも言えない」と回答している。

　京大は「入学時期、入試の在り方を含めて検討する」とだけ答えた。

　秋入学を既に検討しているか今後検討すると答えた35校のうち、導入する場合は全面移行が望ましいとしたのは福島大や九州大など13校。多くは導入の可否や形態について「検討課題」とした。

　「検討予定はない」と答えたのは宮城教育大、奈良教育大、滋賀大、琉球大など13校。教員養成系は「小中高校が変わらないと移行できない」と消極的な意 見が多かった。旭川医科大と奈良女子大は「以前検討したが導入しなかった」とした。山形大は検討するかどうか現段階では不明。

　ただ、秋入学移行に賛成するかどうかの質問には65校が「どちらとも言えない」と回答。賛成は検討の意向を示した35校のうち11校にとどまり、反対が3校だった。

　調査は東大と大学院大を除く全国立大の学長からの回答を求めて23～25日に実施し、全校が答えた。

　このほか東京と関西の12の私立大にも尋ね、早稲田、慶応、上智、明治、青山学院、立教、中央、関西学院、関西、立命館の各大学が「検討する」と回答。法政大と同志社大は「現時点で分からない」と答えた。