日本一の地方大学へ 自信持って『朝日新聞』青森版2012年1月13日付

『朝日新聞』青森版2012年1月13日付

日本一の地方大学へ 自信持って

 弘前大学長を今月末で退任する遠藤正彦学長(75)の講演会が12日、弘大みちのくホールであった。日本一の地方大学を目指して務めた学長10年を振り返りながら、厳しくなる大学間競争の中で今後も地域性を生かし、「佐藤敬・新学長の下に結集して生き残ってほしい」と、聴講した大学役員や教職員に託した。

 遠藤学長は、2002年に就任。国立大学の法人化後も再任され、改革期の弘大を通算10年率いてきた。

 講演で、「弘大は中規模総合大学だが、学問の全領域をカバーしている」とし、地域特性を生かす北日本新エネルギー研究所、白神自然環境研究所、被ばく医療総合研究所と、特徴的な研究にも力を入れてきたと強調。大震災後は、福島への被曝(ひ・ばく)医療支援が高く評価されているとした。

 法人化後の大学間格差の拡大、学部連携や単科大統合などによる今後の大学の生き残り問題にも言及。受験生の中堅私立大への進学指向による流出などがある中で、弘大が注目されるために「東北、北海道の高校を回ってPRしてきた」などとも振り返った。

 遠藤学長は「まだ日本一の地方大学になったとは思えないが、基盤整備はかなり進んだ。自信を持って進んでほしい」と要望。国立大法人化後の第1期中期目標の中間評価は最下位だったが、新しい計算方式に基づく第1期の最終評価は「32位です」と独自試算の結果を紹介。「まだまだ頑張れると思います」と今後に期待した。学長として最後の定例記者会見は、26日に行われる予定だ。

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