http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1314595.htm
政務三役 記者会見録(平成24年度文部科学省予算案の記者会見)(平成23年12月24日)の大学関連部分
(前略)
次に、3ページですが、国立大学法人関係予算でありますけれども、去る19日の大臣折衝の結果、基盤的経費である運営費交付金を確保するとともに、国立大学の改革や機能強化を推進するための新たな補助金の創設が認められました。これによって、大学改革、まず第一歩を進めていくということになります。
具体的には、国立大学法人運営費交付金が復興特別会計計上分を含めて、対前年度105億円、0.9パーセント減の1兆1,423億円となっていますけれども、この大学の枠を超えた連携の推進、教育研究組織の大規模な再編成、個性・特色の明確化、それから改革、これに向けて進めていく、そのインセンティブを作るための改革強化の推進、これに向けた名前としては「国立大学改革強化推進補助金」、これを新たに創設をしまして、138億円の措置をいたしました。
これに加えて、「教育研究力強化基盤整備事業」43億円を新たに加えまして、トータルは国立大学法人関係の予算、昨年度と比較をしまして、19億円の増というふうになっていきます。
言い換えれば、運営費交付金の一部を、この改革と大学強化に向けて進めるインセンティブを作っていく、そのような枠組みの中で使っていきたいということで、トータルにすると、先ほど申し上げたような形で増ということになっていきます。
それから大学改革、特に国立大学の改革においては、私が就任以来、先ほど申し上げたように、これを強力に進めるということで、大学のコミュニティーそのものも今、その危機感を持っておりまして、大学改革をやろうということになってまいりました。これを加速化する予算ということになっています。
省内にも、大学改革タスクフォースを作りまして、これから国民的な議論に向けて、どういう枠組みを作っていくかということ、あるいはまた、具体的にこの予算、今回ついた予算の中で、どういうふうに大学を誘導していくか、あるいはまた、大学の評価ですね、これをいかに確実に充実した形で大学評価というものを作り上げていくかと、システムですね。システムというようなところに対応した形の議論を進めていきたいというふうに思います。そのためのタスクフォースというのを省内に作りました。
それから4ページ目でありますが、これは我が国の私学助成関係予算案でありますが、私立学校は幼稚園児の約8割、それから高校生の約3割、大学生の8割が在学をし
ておりまして、学校教育の中では、その発展に大きく貢献をしています。
このような中で、私学助成の充実というのは、私学の教育条件の維持向上、学生等の修学上の経済的負担の軽減、私学経営の健全性の向上ということから不可欠なものとなってきております。
この24年度予算案においては、復興特別会計を含めて、まず第一に、私立大学等経常費補助、これが3,263億円、54億円増の1.7パーセント増ということになっています。それから2番目に、私立高等学校等経常費助成費等補助、これが1,005億円でありまして、3億円の増ということで、パーセントにすると0.3パーセント増ということになります。
それから3番目に、私立学校施設・設備の整備、これに218億円、61億円の増ということになりますが、パーセントにして38.8パーセント増ということを計上をいたしました。
新たに私立大学の教育改革の展開を図るということから、グローバル化の促進や地域の「分厚い中間層」の育成など、各私立大学の特色等に照らした人材養成像や、将来構想に基づく効果的な教育研究の取組を支援する新規の補助金、これも、私立についても大学改革のインセンティブを作り出すということで、4番目に、「私立大学教育研究活性化設備整備事業」、これの31億円というのを計上いたしました。このことによって、私学助成関係予算案全体としては、対前年度149億円増で3.4パーセント増、4,518億円というふうになりました。これは、対前年度増額という形になりましたのは、平成17年度以来7年振りのことになっております。
次、5ページであります。
奨学金なんですが、これは一つは、日本学生支援機構の奨学金事業、これについては、大臣折衝で最終段階まで頑張っていきました。
まず一つ、新しく導入できたのは、「所得連動返済型の無利子奨学金制度」、前にお話をしました「出世払い奨学金」ということであります。
具体的には、低所得世帯の年収300万円以下の学生等に対して、将来の奨学金の返済負担を懸念して修学を断念することのないように、奨学金の貸与を受けた本人が卒業後に、一定の収入を得るまでの間は返済期限を猶予すると、こういう中身になっていますけれども、「出世払い奨学金」というのが導入をされました。
現在、新規貸与者は約10万人ということなんですが、そのうち年収300万円以下の世帯の学生数というのが3万人ということで統計的には出ておりますが、そうした意味での新しい給付型奨学金を目指した上での第一歩といいますか、を踏み出すことができたというふうに思っています。
それから2番目には、このことに加えて、無利子奨学金の新規貸与者、これが1万5,千人という実質、過去最大の増加というふうになっておりまして、ボリュームも膨らませたということであります。
新設する制度の詳細については、今後検討していくということになっていますけれども、家計が厳しい学生に対して、きめ細かい支援ができていくというふうに考えております。
なお、奨学金事業全体では、対前年度6万7千人増の133万9千人の学生等に対して奨学金を貸与するということにしております。
それから次のページです。
科研費でありますが、科学研究費については、この複数年度にわたる使用を可能とするための「基金化」というのが、前年度も含めて進んでおります。これを更に充実させた形が、来年度、24年度もその改革は引き続いて推進をしていくということになりまして、新たに基盤研究の(B)及び若手研究の(A)の2種目を基金対象種目に追加をいたしました。
この基金対象種目を3種目から5種目に拡大をして、新規採択件数では、基金化分が全体の9割近くを占めるということになってまいります。これによって、限られた研究費から最大限の研究成果を創出をするということができるということになりますし、研究者の間では、この基金化が最大の課題になっていたということ、それをすることによって、非常に有効に研究資金が使えるということが見えておりましたので、ここのところが、ほぼ実現をしてきたということであります。
それから、既存予算を次に見直して、次世代を支える若手の支援や、研究フロンティアの開拓を推進するための研究費の充実を行うということ。それから3番目には、平成24年度予算として、これらに必要な経費2,566億円、これを確保しまして、助成額ベースで比較しますと、対前年度103億円の増、4.7パーセント増ということになります。ということで、支給ベースで、こうして伸ばして、かつ基金化を拡充をしていったということであります。
(以下略)
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質疑応答より関連部分
記者)
国立大学の改革について、お尋ねしたいと思います。
2番で、国立大学改革強化推進補助金とありますが、その中に「教育研究組織の大規模な再編成」という言葉があるんです。これは例えばなんですが、学校内、あるいは専門職大学院の整理統合とか、あるいは大学そのものの統廃合とか、そういうところまで踏み込んでいく話になるなんでしょうか例えば、法科大学院とかですね。
大臣)
これからの議論ですね。大学自体は、連携事業というのを始めていまして、分野連携だとか、あるいはその地域・地区で連携していくとかいうふうなことが具体的に進み始めています。そういう成果を見ながら、最終的には需給バランスと、それが機能分担ですね、こういうのも含めて、どういう形で再統合できるかというようなこと、こんなことをこれから議論するということです。