ブランド力で地域発信/常秋教授が戦略作りなど解説『読売新聞』山梨版2011年11月13日付

『読売新聞』山梨版2011年11月13日付

ブランド力で地域発信/常秋教授が戦略作りなど解説

 山梨大学と読売新聞甲府支局が共催する連続市民講座「育む~輝ける未来を拓(ひら)く 夢あふれる可能性に光を当てる」の第7回講義が12日、甲府市武田の同大で開かれた。教育人間科学部の常秋美作教授=写真=が「農林水産物の山梨ブランド~新学部『生命環境学部』の構想と挑戦」と題し、ブランドの意味や同大の新学部について語った。

 「ブランド」と聞くと「高級品」「一流品」のイメージを抱きがちだが、常秋教授は「ブランドとは作り手が商品の差別化を図るための戦略」と説明した。

 ブランドを作り上げる手段として、常秋教授は地域の特産品や発明などをブランド化する「地域ブランド制度」を紹介。「地名+品目名」を地域ブランドとして、組合法人が特許庁に申請する仕組みで、県内では「やはたいも」「甲州手彫印章」などが認められているという。

 他にも種苗法、自治体や業界団体などが独自に設ける認証制度なども、ブランド作りの手段だというが、これらの制度について、「苦情の受け皿が不明確」「認知度不足」などの課題もあると指摘した。

 同大で来年度設置される農業系の新学部「生命環境学部」では、農産物の生産だけでなく、ブランド形成手段の研究や経営管理を学ぶ学科も設けられる。常秋教授は「経営経済的感覚を持った人材、技術的な素養を持った経営者の養成にも貢献できれば」と新学部の目標を語り、締めくくった。

 韮崎市竜岡町下條南割の韮崎高2年、石原匠さん(17)は「甲府鳥もつ煮など、最近、ブランドや認証という言葉を県内でも良く聞く。いろいろな文化が発達した社会だからこそ、今後、ブランドの考え方や知識は重要だと思った」と話していた。

 次回の講義は12月17日午後1時半から、医学部の竹田扇教授が「ブドウと医学~身近な食物と私達のからだ~」と題して講演する。(第7回の詳報は18日に掲載予定です)

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