知事、教委を批判 『朝日新聞』静岡版2011年11月01日付

『朝日新聞』静岡版2011年11月01日付

知事、教委を批判

 教員の不祥事が相次いでいる問題で、川勝平太知事は31日の定例会見で、「行政から独立し、教育行政を預かっているはずの教育委員会の動きが見えない」と教育委員会を批判し、対策に乗り出すよう求めた。

 県内では今年度、教員によるわいせつな不祥事が7件明らかになった。川勝知事は「ここまで不祥事が続くのは構造的問題がある。原因が無ければこんなにたくさんは起こらない。倫理の欠如で済ませられるのか。メスを入れないとだめだ」と、懸念を示した。

 その上で、教育委員会について言及し、「どう動いているのか見えない。最高責任者は教育委員長だが、顔が全然見えない。見えてこない教育委員会なら、いらないとすら思う」と批判した。

 連続不祥事をめぐっては、教育委員会の委員でもある安倍徹県教育長が「万策尽きた」と発言している。川勝知事は「教育長は教育委員会の事務員」として、委員会が責任を果たすべきだと主張した。

 この日、不祥事教員の処分を決めた県教育委員会の定例会に出席していた金子容子委員長は「知事の発言が正確に分からないので、コメントできない。私は民間の人間なので、現場主義でやっています」と話した。

 ◇「24時間校長であれ」

 静岡市駿河区の市立小学校の50代の校長が知人女性にセクシュアル・ハラスメントを行ったとして懲戒処分となったことを受け、同市教育委員会は31日、市内で臨時校長会を開いた。

 計146の小中学校・高校、幼稚園の校長らを前に、高木雅宏市教育長が「信頼にこたえる教育を一人一人、問い返して欲しい。校長は24時間、校長であることを忘れないでいただきたい」と述べた。再発防止策として、市教委が毎年行っている各校訪問での校長との面談時間延長や、懲戒処分を受けた教職員や学校名の公表基準の厳格化を検討することが通告された。

 市教委によると、処分を受けた校長は9月23日の深夜、市内のカラオケ店で知人女性の体を触ってキスなどをしたとされ、本人も行為を認めているという。処分は停職3カ月だが、本人は辞表を提出。扱いについては後日協議するという。

 ◇盗撮の高校教諭 県教委が免職に

 県教育委員会は31日、高校生のスカート内を盗撮したとして9月、県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された県立浜松南高校の男性教諭(44)を31日付で懲戒免職にしたと発表した。教諭は罰金30万円の略式命令を受け、支払ったという。

 安倍徹県教育長は「社会的責任は極めて大きいと考えます。使命感・倫理観の高揚を図り、信頼回復に努めます」との談話を発表した。

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