九州大、理学部移転着手できず 概算要求、事業費見送りMSN産経ニュース配信記事2011年10月21日付

MSN産経ニュース配信記事2011年10月21日付

九州大、理学部移転着手できず 概算要求、事業費見送り

 九州大学は20日、箱崎キャンパス(福岡市東区、約46ヘクタール)から伊都キャンパス(同市西区、約270ヘクタール)への移転計画のうち、来年度から3カ年で実施する予定だった理学部の移転に伴う費用が、国の来年度概算要求に盛り込まれず、少なくとも来年度は着手できないと発表した。

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 九大は平成17年度から伊都への移転を進めており、これまでに箱崎から工学部、六本松キャンパス(同市中央区、約9ヘクタール)から教養学部が移転済み。24年度からは理学部の移転を開始し、31年度までに文系学部、農学部などを順次、伊都に移す予定だった。

 後に六本松や箱崎の跡地を売却して移転費用にあてるが、当面の費用として見込んでいた国からの理学部研究棟整備事業費が、概算要求で見送られた。九大によると、文部科学省は東日本大震災への対応や箱崎地区の跡地利用に見通しが立っていないことを見送りの理由に挙げているという。

 有川節夫総長は同日会見し、「未曾有の震災の中、復旧・復興が優先されるのは仕方がないが、(九大にとって)伊都移転は必要な事業」と述べ、31年度末までの全体スケジュールに影響が出ないよう国に要望を続ける考えを示した。

 また、箱崎の跡地利用については「大学としての素案はある。大学の都市工学専門家の知恵も借りつつ、福岡市や地元住民の理解を得ていきたい」と語った。

 福岡市によると、九大と同市は、来年春にも箱崎の跡地利用を考える構想委員会を設立。夏までに中間報告を得て、24年度の概算要求に理学部移転の費用が盛り込まれるよう、国に働きかけるという。

 市大学移転対策部跡地計画課は「本来はもう少し早い時期での委員会設立を目指していたが、広大な九大箱崎地区は市にとって重要な土地で十分な準備が必要だった」と説明している。

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