NHKニュース配信記事2011年10月4日付
東大大学院秋入学 式典は英語
優秀な外国人留学生を獲得しようと、海外の大学と同じ秋入学を検討している東京大学で、学部に先駆けて秋入学を実施している大学院の入学式が、4日、行われました。式典の司会進行やあいさつなどはすべて英語で行われました。
優秀な留学生を集めて国際的な競争力をつけようと、東京大学は、早ければ5年後を目指して、学部の入学式を4月から、世界の大学で主流になっている秋に移行することを検討しています。東京・文京区にある東京大学の本郷キャンパスでは、学部に先駆けてほとんどの研究科で秋入学を実施している、大学院の入学式が行われました。式典の司会進行やあいさつなどはすべて英語で行われ、濱田純一学長は「入学おめでとう。広い学問の世界で充実した研究生活を送ることを願っています」と英語で祝辞を述べました。東大の大学院に秋入学する留学生は毎年増え続け、ことしは50か国から327人と、5年前の2倍近くまで増えました。秋入学した大学院生の7割余りは留学生で占められており、東大では、学部の入学式も秋にすれば、さらに留学生が増えるとみています。西アフリカのベナン共和国の女性は「東京大学は世界でもトップクラスの大学です。4月入学だと、入学までの5か月余り何もすることがなく、休まなければいけません」と話していました。東京大学の鈴木敏之副理事は「国際的な競争力をつけることが、今の大学には非常に大切です。優秀な人材確保のためにも、大学全体の秋入学を検討していきたい」と話していました。一方、秋入学が実現した場合、4月から8月までの空白の期間、いわゆる「ギャップイヤー」をどうするか、卒業は秋になるため、就職をどうするのかという課題もあります。東京大学はこうした課題を検証し、秋入学を検討している学内の委員会で年内に結論を出す方針です。