MSN産経ニュース配信記事2011年9月15日付

行政刷新会議、野田内閣で初会合　　葛西ＪＲ東海会長も起用　やる気アピールも見通しは…

　政府の行政刷新会議（議長・野田佳彦首相）は１５日、内閣発足後初の会合を首相官邸で開き、民間議員として国鉄分割民営化に取り組んだ葛西敬之ＪＲ東海会長ら３人の起用を新たに決めた。首相は無駄削減への真剣さをアピールし、復興財源確保に向けた増税への環境整備を進めたい考えのようだが、事業仕分け第４弾の具体的なスケジュールは未定。国民が納得できる無駄削減ができるかどうか見通しは立っていない。

　「事業仕分けを深化させ、行政刷新を確固たるものにしたい。改革をさらに加速させて確実に実を結ぶようにフォローアップしてほしい」

　冒頭で首相はこう語り、歳出削減の取り組みを強化するよう指示した。葛西氏に加え、鳥取県知事として行政改革に実績がある片山善博前総務相、事業仕分けで仕分け人を務めた松井孝典東大名誉教授を起用したことは意気込みの表れといえる。

　会合では、独立行政法人（独法）の組織・制度の在り方を見直す有識者の分科会を新設、年内をめどに統廃合案を取りまとめる方針を決めた。

　ただ、政府関係者は「すでに事業仕分けを３回実施しており、大きな財源が出るような案件は少ない」と語り、巨額な無駄削減は期待できないとの見方が強い。蓮舫行政刷新担当相も１３日の記者会見で「いろんな可能性を含めて検討している」と述べ、事業仕分け第４弾に過度の期待が集まらないよう予防線を張っている。