災害派遣強化へ調整室設置 筑波大病院『茨城新聞』2011年7月14日付

『茨城新聞』2011年7月14日付

災害派遣強化へ調整室設置 筑波大病院 

 筑波大付属病院は13日、東日本大震災の被災地への医療支援活動を強化するため「つくば災害復興緊急医療調整室(T-DREAM)」を設立した。国や県からの災害派遣要請の窓口を一本化するほか、震災後の医療支援活動を分析・記録して今後の教訓として生かす。将来的には、災害時の各医療機関の情報を集約する仕組みをつくり、患者が円滑に治療を受けられる体制を構築したい考え。

 同病院は震災直後から災害派遣医療チーム「DMAT」や職員らを県北地域や福島県の被災地に派遣するなど精力的に支援活動を展開。6月末までに延べ70チーム、同198人の医師と看護師を被災地に派遣した。

 調整室の設立は、慢性期医療など被災地の多様な医療ニーズに迅速に対応するのが狙い。県医師会と県看護協会、日立市消防本部を含む県北部地区メディカルコントロール協議会と連携して業務に取り組む。

 今後の災害医療教育と災害臨床医療の向上に役立てるため、これまでに被災地に派遣された医師や看護師の活動内容は記録として残し、検証する。また、災害時に医療スタッフを効率的に被災地に派遣したり、救急隊員が患者の搬送先を迅速に決定できるよう、各病院の被災状況や患者情報などを管理する仕組みをつくり、災害支援の拠点を目指すという。

 室長を務める同病院救急・集中治療部の安田貢医師は「災害時は必要な情報を必要な場所に確実に伝えられるかが鍵。日常から各機関との連携を密にして有事に備えたい」と話した。

 

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