大学も節電に知恵絞る 授業切り上げも 『朝日新聞』栃木版2011年6月19日付

『朝日新聞』栃木版2011年6月19日付

大学も節電に知恵絞る 授業切り上げも 

 電力の大口需要家である大学が、15%削減を求められる今夏を前に、節電対策に知恵を絞っている。県内の大学も照明や空調はもちろん、前期の授業を例年より早く切り上げたり、実験や研究に使う大型装置を昼間は使わなくしたりするなど工夫を凝らしている。

 前期の授業を短縮するのは宇都宮大。例年は、7月末まで授業があり、8月上旬に前期試験を行っていたが、今年は約2週間切り上げ、7月16日までに試験も終わらせる。

 同大は、計画停電が実施されていた3月中から夏の節電対策を検討してきた。その結果、気温が上がり電力量が大幅に伸びる7月中旬以降は大幅な節電は見込めないとして、それまでに授業を終わらせることを決めた。

 カリキュラムを変更し、土曜日に授業を行ったり、課題を与えてリポートを提出させたりして対応する。教職員の残業も、7月以降は早朝に切り替えることも検討している。

 足利工業大は、風洞実験施設やプラズマをつくる大型装置の使用を、午前11時~午後4時の間は控えている。また、構内にある街路灯の約7割にあたる60~70灯を消した。今後も、温度が上がりやすい建物最上階の教室は使用しないなどの工夫していくという。

 各大学の節電の工夫は細かいところにも及んでいる。授業に支障がないように教室の窓際の照明を消したり、空調の設定温度を上げたりするのはもちろん、洗浄便座の電源を切るところまで気を配っている。

 白鴎大は、廊下やロビーなど共用部分の照明をすべて消しており、カフェや食堂は蛍光灯を半分間引いた。さらに学内の電力使用の総量を計る機械を取り付け、一定の値を超えた場合は空調や照明を控えるように構内放送で「警報」を出すという。また、授業が特定の曜日や時間帯に集中しないように平均化する工夫も考えている。

 国際医療福祉大は、エレベーターの間引き運転をしている。学内で一番高い建物でも6階ということもあり、学生には使用自粛を徹底するという。また、教職員に対しては金曜日をノー残業デーとし、一斉帰宅を促している。(大津正一)

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