教育推進室を設置 質向上へ/弘大『陸奥新報』2011年5月17日付

『陸奥新報』2011年5月17日付

教育推進室を設置 質向上へ/弘大 

 教育改革を進めるために弘前大学(遠藤正彦学長)は1日付で教育推進室を立ち上げた。ここ3年は入学志願者数を伸ばしており、卒業生の就職率においても全国平均を上回る健闘を見せている弘大が、教育の質のさらなる向上を目指して動きだした。室長を務める神田健策教育・学生担当理事は「社会的評価を高く受けられるように教育改革を進めていく」と意欲を示した。

 弘大の入学志願者数は2008年度に5000人割れしたが、その後は順調に伸ばしており、11年度は6285人で10年度から620人増。就職の面でも10年度卒業生の全学部平均就職率は90・6%(3月25日現在)で“超氷河期”の中、9割超えと健闘している。

 弘大では、教育の質の向上を求める中央教育審議会答申(08年12月)や弘大第2期中期目標・中期計画が昨年4月に開始されたのを契機に、学長の諮問に応じて同年10月に緊急教育推進会議を設置。教育活動の現状と課題を整理し、3月に各委員からの意見や対応策を「教育活動推進のための提言」として取りまとめた。

 さらにこの提言に基づき推進室を設け、入学志願者確保、教育課程・編成についての方針策定といった教育活動の課題への具体的な対応策を今後検討し、教育の質の向上などを図って社会的な評価・信頼度を高めたい考えだ。

 6日に学内で開かれた推進会議メンバーによる教育改革先進校視察報告会の冒頭で、あいさつに立った遠藤学長は「入試倍率を伸ばした数少ない大学の一つで、就職でも昨今の就職難の状況下でも全国平均を上回っており本学は善戦している」とした上で、「問題は教育の中身、質の保証」と教育改革への決意を口にした。

 神田理事は「教育の質をこれまでもおざなりにしてきたわけではないが、学位を見直す重要な時期になっている」とし、「他大学での教育改革の良いところを取り入れてなるべく早い時期に形にしたい」と述べた。

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