『毎日新聞』長崎版2011年3月24日付
つなごう希望:東日本大震災・長崎から 長大理事「継続支援を」 /長崎
被災地の視察や長崎丸での支援物資搬送をした長崎大の調漸(しらべすすむ)理事が22日帰県し、活動報告した。福島第1原発の事故を受け、大学が取り組む被ばく医療の支援活動について「今後も大学として支援したい」と継続的に取り組むことを明らかにした。
被ばく医療の分野では、長崎大大学院の山下俊一、高村昇両教授らのチームが福島県立医大で活動してきた。チェルノブイリ原発事故の研究も長年続けた2人は福島県から「放射線健康リスク管理アドバイザー」の委嘱も受けた。また、調理事は長崎丸に乗船し、小名浜港(福島県いわき市)と宮古港(岩手県宮古市)に支援物資を届ける活動もした。宮古市では「住宅や商店街に人がいて片づけをしている。復興が始まっている」が、いわき市は「ゴーストタウンのよう」「トラックが来ない。ガソリンも来ない。国や県の港湾関係者が泣きそうな顔で迎え入れてくれた」と報告。復興状況に差がある点も指摘した。