鹿児島大、練習船で物資輸送 『読売新聞』2011年3月23日付

『読売新聞』2011年3月23日付

鹿児島大、練習船で物資輸送

 東日本巨大地震を受け、鹿児島県内の大学で被災者支援の輪が広がっている。

 鹿児島大は救援物資輸送のため練習船を派遣。被災地出身の学生への授業料免除なども各大学で検討している。

 鹿児島大は23日、水産学部の練習船「かごしま丸」(1297トン)を新潟港に派遣する。国立大学協会の要請に応じ、同大からは家庭用医薬品やマスクなどを送る。さらに九州の国公立大から集まった救援物資を博多港で積み込んで新潟港に運び、東北大(仙台市)などに届けるという。

 鹿児島大は地震発生3日後の14日、吉田浩己学長を本部長とする「支援対策本部」を設置。医学部・歯学部付属病院の医療支援チームや緊急被曝(ひばく)医療対策班、学校施設の応急危険度判定調査職員が、いつでも被災地支援に出発できるよう態勢を整えている。

 東北出身の学生が多い鹿屋体育大(鹿屋市)は「保護者が被災した学生もおり、緊急の支援を行う必要がある」として、大学のホームページなどを通じて教職員や学生に義援金への協力を呼びかけた。鹿児島純心女子大(薩摩川内市)も19~21日の3日間、学生有志が鹿児島市のJR鹿児島中央駅前で義援金を募った。

 4月に霧島市から鹿児島市に移転する志学館大では、宮城県東松島市に帰省中の学生が一人いたが無事を確認。鹿児島国際大(鹿児島市)も、新年度の入学予定者に宮城県登米市在住者が一人おり、自宅が被災したが無事だったという。

 両大学は「学生への支援について必要に応じて対応する」とし、鹿児島大は被災地出身者の実家の被災状況に応じて授業料免除などの支援を行う。

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