「多文化共生」支え10周年 佐賀大留学生センター『佐賀新聞』2011年1月31日付

『佐賀新聞』2011年1月31日付

「多文化共生」支え10周年 佐賀大留学生センター

 佐賀大学留学生センターの設立10周年記念式典が29日、佐賀市の本庄キャンパスで開かれた。約100人が出席して節目を祝い、留学支援の充実に加え、定住外国人を対象にした日本語教育支援など「多文化共生」に向けた新たな方向性を考えた。

 留学生センターは2000年4月に設立。専任教員が留学生の日本語教育や生活相談を担い、留学を希望する日本人学生向けに英語教育も実施。この10年で海外から延べ3283人を受け入れ、日本人学生355人の留学を支援した。

 式典では、国立国語研究所上級研究員の野山広准教授が講演。受け入れ留学生数を現在の約3倍の30万人に引き上げる国の計画を踏まえ、eラーニングを活用した来日前の日本語教育をはじめ、奨学金制度の拡充、産学官が連携した就職支援の必要性を指摘した。

 さらに、全国的に増加傾向にある定住外国人とその子どもたちを対象にした地域貢献策を提言。「大学内に収まるのではなく、自治体と組んで日本語学習支援を仕掛けていくことは可能」とした。浜松学院大などの実践例を示し、教育や生活相談にかかわる地域コーディネーターを養成する新たな機能も提案した。

 佐賀大は今秋の国際交流センター(仮称)の設置など、留学生センターの11年度以降の発展的改組を検討している。佛淵孝夫学長と柳田晃良センター長は式典で「地域とも連携しながら質の高い教育研究を推し進め、世界を舞台に活躍する人材を育成したい」などとあいさつした。

 

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