仙台厚生病院:医学部新設へ 東北の医師不足解消狙い『毎日新聞』2011年1月13日付

『毎日新聞』2011年1月13日付

仙台厚生病院:医学部新設へ 東北の医師不足解消狙い

 東北地方の医師不足解消に向け、仙台市の仙台厚生病院(383床)は12日、13年度に大学医学部を新設する方針を発表した。同市の東北福祉大に新設を打診中で、3月にも正式決定する。文部科学省は医学部新設を認めていないが、昨年設立した専門家会議で容認を検討中。政府が方針転換すれば同病院は大学付属病院となる。文科省の担当者によると、病院が医学部新設を目指すのは「聞いたことがない」という。

 仙台厚生病院によると、東北福祉大は看護や福祉分野の専門課程があり、医師が教員を務めている実績もあることから新設先にふさわしいと判断した。医学部の定員は80~100人とし、半数程度は東北出身者の枠を設ける。自治体から奨学金を拠出してもらう見返りに医師を派遣する考えで、学費も私大としては低く設定。病院や大学にある既存の施設を利用してコストを抑え、臨床の実習先として宮城県内の医療機関にも協力を呼びかける。

 仙台厚生病院の目黒泰一郎理事長は「臨床第一主義で地域に根ざした医師を養成したい」と話している。同病院は財団法人・厚生会が運営。心臓血管、呼吸器、消化器系の診療を担い、地域の病院・診療所などを後方支援する「地域医療支援病院」として県の承認を受けている。【比嘉洋】

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