文化振興費は異例の増額 予算案、クールジャパン重視『朝日新聞』2010年12月20日付

『朝日新聞』2010年12月20日付

文化振興費は異例の増額 予算案、クールジャパン重視

 財務省は2011年度政府予算案で、文化振興費を過去最高の1030億円ほどにする方針を固めた。各分野で予算の圧縮が検討されているなかで異例の増額だ。文化遺産の保存や美術館の充実、アニメや映画などの「クール・ジャパン」を支える人材育成にお金をかけ、文化・芸術分野の強化につなげる。

 文化振興費は10年度も過去最高の1020億円だったが、11年度はさらに増やす。とりわけ、文化庁が「元気な日本復活特別枠」で要望した事業を優先する方向だ。

 特別枠では、日本の文化施設に国内外の観光客を呼び込むため、文化遺産の展示施設の整備や案内板の外国語表記、国際的な芸術祭の支援などを盛り込んでいる。日本が強いアニメや、世界で注目されている現代美術などに携わる若手の育成強化も入っている。

 民主党は文化振興策としてクール・ジャパンを掲げ、日本の食やアニメ、ファッションなどに投資し、海外に売り込む方針を打ち出している。文化庁の文化審議会の文化政策部会も「文化予算の拡充が必要」としていた。

 一方、科学技術振興費に含まれる科学研究費補助金(科研費)は、一部を基金にして翌年度に繰り越しできるようにする。11年度は数百億円規模の基金を初めて作り、若手研究者を中心に支援する。

 10年度の科研費は2千億円ほど。基金にすると年度内に使い切らなくてもよく、研究の進み具合にあわせて補助金を使えるため、研究者の要望が強かった。

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