『福井新聞』2010年12月15日付
国立大交付金確保へ糸川氏「努力」 福井大要望に
政府の2011年度予算で福井大など国立大学11件法人に配分される運営費交付金が大幅に削減される見通しとなっていることで、福井県選出の民主党副幹事長糸川正晃衆院議員は15日、11年度予算に反映を求める党の重点要望に「国立大運営費交付金の確保」を盛り込んだことを明らかにした。来週初めにも党陳情要請対応本部が財務省と協議する予定。
福井大はこの日、福井市の文京キャンパスで党陳情要請対応本部の副本部長・事務局長を務める糸川氏に運営費交付金などの予算確保を求める要望書を提出した。これに対し、同氏は「(同本部として)国立大に関しては財務省に働きかけをしながら予算確保していく方針。来週早々にも財務省と話をし、要望に添える結論が出るように努力したい」と答えた。
11年度予算の特別枠1兆3千億円の配分を決める政府の政策コンテストで文部科学省の事業がB・C判定を受けたことを受け、全国の国立大は大幅な予算削減が避けられないとして危機感を強めている。
福井大の場合、本年度予算比で最大9億3千万円減になるという試算を公表している。福田優学長は糸川氏に対し「国立大の高等教育を維持することは、グローバル社会で国力を維持するための重要な課題」と予算確保への協力を求めた。
特に、経済的に厳しい家庭の学生に対する授業料減免にかかる予算がC判定を受けたことに対する危機感を強調した。
糸川氏は6日に民主党が政府に提出した重点要望に「国立大運営費交付金の確保」が含まれていることを説明。24日に予定されている予算案決定に向け、党陳情要請対応本部と財務省との最終的な協議の中で予算確保に努めるとした。