『毎日新聞』高知版2010年12月11日付
高知大学長選不正:行政訴訟 「違法性なし」地裁判決
07年10月に相良祐輔学長が当選した高知大学長選で不正があったとして、対立候補だった高橋正征・同大名誉教授らが国の学長任命行為の取り消しなどを求めていた訴訟の判決が10日、高知地裁であった。小池明善裁判長は「違法性は認められない」として、原告側の訴えを退けた。
判決理由で、票のすり替えがあったとする原告側の主張に、小池裁判長は「疑いはぬぐえないが、あったとまで断定することはできない」として、学長選の手続きの不正を認めなかった。
判決によると、選考の参考にする学内意向投票で、原告の名誉教授が41票差で上回った。しかし職員の再確認で集計ミスが判明、1票差となった。選考会議では両方の票が参考資料とされ、現学長を選出した。
判決後、高橋名誉教授は「訴えを認められなかったのは残念。今後については周囲と相談して考えたい」と話した。【倉沢仁志】