教員免許を3段階に 中教審部会案、専門性養成促す『日本経済新聞』2010年12月1日付

『日本経済新聞』2010年12月1日付

教員免許を3段階に 中教審部会案、専門性養成促す

 教員養成や研修の見直しを議論している中央教育審議会の特別部会は30日、教員免許を大学卒業者向けの「基礎免許」と、採用後に大学院で修士課程を終えた教員らに与える「一般免許」、より高い専門性を身に付けた教員に与える「専門免許」の3段階に分ける案をまとめた。

 いじめや不登校など子供を取り巻く環境が複雑になる中、より高度な専門性を持った教員を育てる狙い。年内にも審議経過報告を公表し、詳細を引き続き議論する。

 ただ受け皿の大学院不足や教員らの負担軽減など課題も多く、衆参の「ねじれ国会」で関連法改正も困難とみられ、実現には曲折が予想される。

 特別部会案によると、現在は大学4年間で教職課程を履修すれば取得できる教員免許を、将来は大学院修了レベルの資格にする。制度移行段階である当面の間は、大卒者に暫定的資格の「基礎免許」を与え、教員を続ける場合は教職大学院などで一定期間内に修士課程などを修了し「一般免許」取得を義務付ける。

 さらに10年程度の実務経験を積み、教職大学院などで学び直した教員らに学校経営や生徒指導などの「専門免許」を与える。民主党が廃止を視野に入れていた教員免許更新制は、専門免許状導入と合わせて存廃の検討を続けるとした。

 現在は学校段階別に分かれている免許状を「義務教育免許(小・中学校)」「中等教育免許(中学と高校)」にする案も示した。

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