学生,教職員の皆様へ 山口大学長 丸本 卓哉 平成22年9月30日

平成22年9月30日

学生,教職員の皆様へ

山口大学長 丸本 卓哉

各省庁の平成23 年度予算の概算要求が8月末に財務省へ提出され,その中で国立大学法人の運営費交付金は,概算要求額が本年度に比べて2.8%の増加になったという報告がなされております。しかし,実態は極めて厳しいものがあり,今回,是非皆様方にその状況をお知らせし,ご理解と今後のご支援をお願いするものです。

○国立大学法人運営費交付金の概算要求と「政策コンテスト」について

平成23 年度の概算要求は,予算額を削減するため,従来のものとは大きくその仕組みが変わり,結果として,従来に予算措置されていた「建物の耐震化」,「国立大学の授業料免除実施」,「教育研究プロジェクトの推進」,「若手研究者を支援する科学研究費補助金」など国立大学を運営するうえで必要不可欠の予算が,「要望枠」での要求となりました。このことにより,これらの経費は「政策コンテスト」の対象となり,「仕分け事業」の対象となります。

一方で,この「要望枠」に対する各省庁の予算要求額の合計は3 兆円であるのに対し,用意される予算額は,「1兆円を相当超える額」となっており,大幅な予算が削減となることは必至の状態で,上記事業の実施が危ぶまれる状況となっています。

このような極めて厳しい状況があることを,まず学内の教職員の方々及び学生諸君にご理解頂くことと,「要望枠」の確保はこれからの本学にとっても重要な意味を持つため,この確保に向けて,大学関係者はもとより広く国民の皆様や関係各位のご理解とご支援をいただくことが必要になります。

○「政策コンテスト」に向けたパブリックコメントへの参加のお願い

要望枠の事項について政策コンテストで仕分けされることは前述のとおりですが,文部科学省全体の要望枠8,628 億円の中で,大学関係事項は,「国立大学法人運営費交付金」の他,「科学研究費補助金」,学生諸君の「育英奨学金」,「授業料免除」などを含めて,2,759億円あります。これらが3 分の1 になった場合は,学生諸君の奨学金や授業料減免などにも大きな影響が出ます。

また,大学教員において基盤的な研究経費としての科学研究費補助金にも大きな影響が出ることも明らかです。

要望枠は文部科学省だけでなく各省庁もそれぞれ要求しており,これらと競合しながら,要望枠の確保をすることになります。このような観点から,「政策コンテスト」は非常に重要な意味を持つことがご理解いただけると思います。

政策コンテストは,各省庁の要望事業を首相官邸のホームページ上に公開した上で,国民からのパブリック・コメントを求め,その結果を基礎資料として,10月を目処に設置される予定の「評価会議(仮称)」において評価し,政策の優先順位づけを行うこととされています。

ここで重要なのは,多くの意見・関心が集まらない事業には予算措置の可能性は非常に低いということです。私どもとしては様々な立場から,国立大学あるいは高等教育を支える経費の必要性等を意見として訴えていただきますよう切にお願いするところであります。

※首相官邸のホームページ http://seisakucontest.kantei.go.jp
パブリックコメント締め切り日 平成22 年10 月19 日(火)午後5 時

○「国立大学の授業料免除実施」に関する項目
【府 省 別】→文部科学省
【要求事業一覧】→学習者の視点に立った総合的な学び支援及び「新しい公共」の担い手育成プログラム
○「教育研究プロジェクトの推進」に関する項目
【府 省 別】→文部科学省
【要求事業一覧】→「強い人材」育成のための大学の機能強化イニシアティブ
○「若手研究者を支援する科研費」に関する項目
【府 省 別】→文部科学省
【要求事業一覧】→成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ
○「建物の耐震化」に関する項目
【府 省 別】→文部科学省
【要求事業一覧】→安全で質の高い学校施設の整備

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