(学長緊急アピール)危機に直面している国立大学!三重大学長  内田淳正 平成22年9月30日

(学長緊急アピール)危機に直面している国立大学!
~教育・研究活動の基盤を支える予算(運営費交付金など)の確保にご支援を~

三重大学長  内田淳正

昨今の世界全体を巻き込んだ未曾有の経済不況は、各方面で様々な困難な状況を生じさせており、現在でも出口を見いだせない深刻な事態に陥っています。

このため、政府では、我が国もこの状況を脱却すべく、デフレ脱却を含めた経済成長の実現、国民生活の安全・安心、「新しい公共」の推進など、元気な日本を復活させるための施策に予算の重点配分を行う仕組みとして「元気な日本復活特別枠」が設定され、9月28日から政策の優先順位づけを行う政策コンテストの基礎資料となる意見募集(パブリックコメント)が首相官邸のホームページ上に公開されています。

三重大学としても、現下の厳しい財政状況の中で、この閉塞した日本の状況を打開すべく設けられたこの「特別枠」の趣旨には賛同するものです。

しかしながら、国立大学にとって必要不可欠な教育研究に必要な基盤的経費である既存の運営費を大幅に削減した上で、その削減分が「特別枠」として要望されておりますが、予算が確保できなかった場合、運営に与える影響は深刻なものとなります。

【「特別枠」への国立大学関係の要望には、以下の予算が含まれています。】

・授業料免除枠の拡大

・地域医療を担う国立大学附属病院の教育研究の充実強化

・科学研究費等による若手研究人材の養成・支援経費など

【このため、既存経費を削減したこの「特別枠」の要望が認められなかった場合には、以下の深刻な事態が生じます。】

・奨学金、授業料の免除の制度の維持が困難になり、経済的苦境に立つ

学生の修学ができなくなること

・学生の安全な学習環境を確保するために実施する大学施設の耐震化・

老朽化対策が困難となること

・地域医療に対する貢献機能を縮小せざるを得ないこと

・将来を担う若手研究者や医師の養成が困難になることなど

これらの深刻な事態の回避は、法人化以降年々削減が続き疲弊している大学の予算では対応が困難であり、結果的に大学の運営を維持するために授業料の値上げまでも検討せざるを得ないなど、地方の国立大学としての役割を果たすことができなくなるのではないかと危惧しています。

これまでも、本学も極めて厳しい予算の中で地方の不利を補うべく教職員が懸命な努力を続けてまいりましたが、その努力も限界に達しようとしております。つきましては、今後とも教育研究活動の悪化を招かないよう、皆様のご理解・ご支援を賜りたく、別添の記載要領に基づきパブリック・コメントに是非とも参加して頂きますようお願い致します。

首相官邸のホームページ:http://seisakucontest.kantei.go.jp/
別添の記載要領:http://www.mie-u.ac.jp/assist/pdf/20100930_kisaiyouryou.pdf

平成22年9月30日

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