『陸奥新報』2010年7月14日付
弘大の総利益25億2300万円 09年度財務諸表を公開
弘前大学(遠藤正彦学長)は13日、6月30日付で文部科学省に承認された2009年度の財務諸表を公表した。総利益は前年度比10億4000万円増の25億2300万円だが、運営費交付金の精算や「コラボ弘大」竣(しゅん)工(こう)などの事業により翌年度以降の事業に使用できる目的積立金はなくなった。
弘大の運営状況を示す損益計算書では、経常費用は313億1600万円(対前年度比13億2000万円増)。補助金や目的積立金による事業の実施で教育、研究経費や弘大病院の診療経費が増えたことによる。また、経常収益は323億3400万円(6億500万円増)で、同病院収益が循環器系手術件数の増加などにより増収となった。
同病院の運営状況は、総利益12億8700万円となったものの、減価償却費などによる現金の裏付けがない利益で、実質的な利益はなかった。同病院の経営状況に関しては、病院収益が増加する一方で、循環器系手術の増加などによる業務コストも増加。医療機器の更新などが課題となっている。