『読売新聞』2010年7月14日付
三重大病院に鍼灸外来 大学病院では東海初
がんの苦痛緩和などに期待
三重大医学部付属病院(津市江戸橋)は今月、東洋医学を取り入れた「統合医療・鍼灸(しんきゅう)外来」を麻酔科内に開設した。西洋医学中心の大学病院で鍼灸を外来に設置するのは珍しく、東海地区の大学病院では初めて。
三重大と包括連携協定を結ぶ鈴鹿医療科学大(鈴鹿市岸岡町)の協力で実現し、診療は同大の佐々木和郎・鍼灸学部長や教員、卒業生の鍼灸師5人が、1日12人程度の患者を診る。
西洋、東洋医学の双方で治療を行う統合医療の導入に、三重大の竹田寛病院長は「がん患者の苦痛や、手術後の痛みを緩和させるなど、西洋医学を補完できる」と説明。丸山一男・同病院麻酔科長も「検査では原因の分からない痛みの緩和や心の問題にも対応させて、新しい医療の活路にしていきたい」としている。
開設に先立ち、今年4月から入院患者やスタッフら約150人に鍼灸の治療を行っており、佐々木学部長は「抗がん剤治療などによる吐き気や食欲不振などの改善効果について、データを収集して研究していきたい」と意気込みを語った。
診療は予約制で、月~金曜日の午後2~5時。初診4500円、再診3500円。問い合わせは同病院麻酔科外来(059・232・1111)へ。