中教審:小中35人学級へ 教育現場は歓迎 現状、地域格差大きく『毎日新聞』2010年7月13日付

『毎日新聞』2010年7月13日付

中教審:小中35人学級へ 教育現場は歓迎 現状、地域格差大きく

<検証>

中央教育審議会の分科会が公立小中学校の学級規模を40人から引き下げるよう求める提言案をまとめた。いじめや不登校などへの対応や増え続ける事務仕事に追われる学校現場からは「きめ細かい教育ができるようになる」と期待の声が上がる。課題は国の厳しい財政状況で財源をどう確保するか。参院選の大敗で民主党政権は厳しい国会運営を強いられることが必至。実現には曲折も予想される。【本橋和夫、井上俊樹】

「少人数になればなるほど子供たち一人一人に目を配ることができ、個々に応じた指導もしやすくなります」。東京都江東区の区立水神小学校。6年生の担任、真鍋律子教諭(45)は中教審の提言に歓迎の声を上げる。

同小の6年生は1学年40人。国の学級編成基準の上限すれすれのためクラス分けができない。ところが、隣の5年生は44人だから、22人ずつ2クラスの少人数教育が行われている。同じ学校なのに教育環境は大きく異なる。ゆったりとした5年生の教室に比べ、6年生の教室内は通路も狭く、教室の壁に張り切れない掲示物が廊下まであふれている。

01年度以降、都道府県の判断で40人を下回る学級編成も可能になった。全国に先駆けて02年度に小・中学校の1年生で30人学級を始め、翌年、小学2年に拡大した福島県は、05年度から他の学年でも「30人程度学級」(33人を目安)を実現。今年度からは東京都が小学1年と中学1年だけとはいえ、39人以下の学級編成を認めたことで、47都道府県すべてに拡大した。文部科学省の調査では36人以上の学級で学ぶ小学生は全体の2割にも満たない。

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