【学長緊急アピール】平成23年度からの予算シーリングへの要望(声明)平成22年7月13日国立大学法人茨城大学学長 池 田 幸 雄

【学長緊急アピール】
平成23年度からの予算シーリングへの要望(声明)
~将来を担う人材育成機関としての大学の役割~

先月22日に閣議決定された「財政運営戦略」において、平成23年度から平成25年度を対象とする3ヶ年の「中期財政フレーム」が策定されました。同フレームでは、基礎的財政収支対象経費は前年度当初予算を上回らないとされていますが、同財政収支対象経費のうち、社会保障関係経費は毎年約1.3兆円増加すると試算されております。

このことは、削減が困難な義務的経費等を除外すると、それ以外の政策的経費から毎年約1兆円の削減が必要であり、削減率は約8%となります。したがって、国立大学に対する運営費交付金や私立大学に対する私学助成金などが8%も減額することになります。

茨城大学においては、平成16年度の国立大学の法人化以降、毎年1%の運営費交付金の削減や総人件費改革による1%の削減が行われる中、教育研究への影響を最小限に抑えるため様々な改革や自己努力に取り組んで参りましたが、今回の数値が適用された場合、教育研究への影響だけでなく、大学運営そのものが立ち行かなくなるのではないかと危惧しております。

茨城大学は、高等教育機関として果たすべき役割の下、真理を探究し、豊かな人間性や高い倫理性を持った人間の育成に努めるとともに、多様な教育と高度な研究を展開しています。これまでに、茨城県を中心に活躍する7万8千人余の有為な人材を輩出するとともに、地域振興の拠点として地域の活性化にも努めて参りました。

我が国の高等教育への公財政支出は、既にOECD諸国の最下位であり、国力の衰退に強い懸念を持ちます。また、政府の「新成長戦略」においても、「『強い人材』の育成が、成長の原動力として未来への投資であることを踏まえ、教育力や研究開発力を世界最高水準にするための効果的な公的投資を拡充する。」旨、明記されております。このことは、上記8%の運営費交付金等の削減と矛盾することになります。

現在、国立大学協会等が中心になって、運営費交付金等を概算予算シーリングから除外すべく各方面に要望を積極的に行っています。私も国立大学協会の要請に従い、全力を傾けて県内の関係各位に要望活動を進めております。本学の教職員の方々には、現在の厳しい状況を充分にご認識頂き、本件に全面的なご協力をお願い致します。

平成22年7月13日
国立大学法人茨城大学
学長 池 田 幸 雄

http://www.ibaraki.ac.jp/news/2010/07/141428.html

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